本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第316回2017/11/21  辻村は、企みを抱き、権五郎の新年会に向かった。さらしの下には、ドスではなく入念に包んだワルサーを隠し持っていただろう。そして、連れて行くのは、二代目半二郎だ。 辻村は、首尾よく企みを遂げた…
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①親分権五郎が死に、喜久雄は坊ちゃんでもなんでもなくなった。おまけに立花組は、すっかり落ち目になった。②喜久雄は、歌舞伎の稽古に熱中していたが、役者として舞台に立てるかどうかもまったくわからなかった。③二人道成寺で人気を得た喜久雄だが、すぐにその人気にも
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第315回2017/11/20 私は、現代の小説をこのブログを書くようになってから読み始めた。吉田修一という作家については、名前も聞いたことがなかった。今回を読んで、俄然、吉田修一に興味が湧いてきた。 徳次、喜久雄、春江、
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第314回2017/11/19 そこに徳次は、極道育ちという自分の血に持つ、逆の意味でのプライドを喜久雄に見たのでございます。 極道の血を持つからには、力のある親分の威光を借りて、物事のかたを付けることはしない、というプラ
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第313回2017/11/18その一 徳次がやろうとしている解決の手段として思いつくことは、次の三つ。①金銭②裏の人脈③徳次の命 私に思いつくのは、これだけだが、さて‥‥その二 312回で徳次が言っていた「鷺娘(さぎむすめ)
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①辻村のパーティーへの出演を、喜久雄が受けたこと。②喜久雄のパリ公演の成功が、俊介に与える影響。併せて、松野という男のこと。 舞台は、すっかり綾乃のことになっているが、①と②が同時進行しているはずだ。 それに、加えて、③のことも疑問だ。③徳次が言った「鷺
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第312回2017/11/17 徳次の動きが小気味いい。こういう動きをして、読者に無理を感じさせない作者の人物づくりが見事だ。 綾乃を救い出し、病院へ行き、家へ連れ戻ったとしても、綾乃の問題は解決しないだろう。徳次が説得す
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朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・内巻敦子画『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第40回 第8話 また夜が明けるまで①2017/10/20あらすじ 忍と夫の和敏は、結婚する前からヴァーレ浜松を応援し、観戦に通っている。だが、二人が観戦のために浜松に出かける
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第311回2017/11/16 徳次と喜久雄には、実の親も兄弟もいない。だが、喜久雄にはマツがいるし、今は、市駒と、彰子、それに、娘の綾乃がいる。 育ての親さえいなかった徳次には女房もいない。その徳次にとって、喜久雄は坊ち
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第310回2017/11/15 喜久雄は実の父親だ。さらに、喜久雄と母、市駒が結婚をしていないことを知っている。父は、どん底の時には、母の所に来て、自分を可愛がった。マスコミが隠し子などと騒ぎ立てた時には、父は、母と自分を
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第308回2017/11/14 徳次は、ある面では喜久雄よりも浮き沈みが激しい。浮浪児から、ヤクザの部屋住み、鑑別所入り、鑑別所脱走、歌舞伎役者の家の手代見習い、北海道行き、北海道のタコ部屋から脱走、ドキュメンタリー映画に
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第308回2017/11/12 喜久雄の実父を殺し、まんまと父の立花組を乗っ取ったのは辻村だ。喜久雄を長崎から追い出したのは辻村だ。 喜久雄を預かってくれるように、二代目半二郎に頼んだのは辻村だ。喜久雄が三代目半二郎を襲名
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第307回2017/11/11 広域暴力団のトップとつながりがあると、取り上げられれば、隠し子がいたなどというスキャンダルとは比べものにならない騒ぎになるだろう。 徳次の言うことが正しい。 徳次の日常はきっとだらしがないだ
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 第十二章反魂香(第十二章あらすじ)を振り返ると、どうしても気になる。 豊生を亡くした俊介は、それから間もなく喜久雄の襲名を聞いたであろう。 我が子を失い、その上に実の父から、跡継ぎとしての力がないと見限られた。 この絶望から、どうやって、俊介は這い上が
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 喜久雄のパリ公演は大成功で、帰国しても評判は高まるばかりだ。その一方で、俊介の舞台も通好みの芸として一目置かれるようになった。 二人ともが役者として、成果をあげ、注目を浴びている。 喜久雄が、このまま新派の役者として演じ続けるのか、疑問だ。 喜久雄を娘
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