本屋のとなりは写真館

新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 の感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第97回2015/7/8 挿絵画家中田春彌は、事前に1回ずつの小説を読んで、挿絵を構想するのだろうか。それとも、作品の最後まで読み終わって、1回ごとに配置を考えるのだろうか。どちらにしても、1枚を仕上げるまでにそれほど余裕はな…
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第68回2015/7/7その時三千代は長い睫毛を二、三度打ち合わせた。 睫毛がはっきりと見えるほど二人の間隔は狭かったということだ。 「代助」は、「三千代」と別れてからいつになく高揚している。「三千代」のためにやれることをやった
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第96回2015/7/7 これはいくら何でもやり過ぎだろう。若い女性の親切心だからと、大目に見たい所だが、「佳菜子」の押しかけは普通ではない。 子猫の描写が滑らかだ。ただし、「広岡」がこんな事を続けていると、今の日本ではご近所
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第67回2015/7/6 「代助」が行動を起こした。実家の圧力から逃げるための旅行に出ようとしている。 彼が実際に動きを見せるのは、珍しいことだ。 ところが、旅の出発の前に、別の行動を起こした。「三千代」に会いに行ったのだ。今ま
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第66回2015/7/3 「代助」はいよいよはっきりした態度を示さなくてはならなくなった。今までのように父や兄の話を、のらりくらりとやり過ごすことが難しくなった。 それはそうだろう、という気がする。一生独身で働きもせずに、父の財
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第95回2015/7/6子猫といい、佳菜子といい、進藤といい、小さな関わりが生まれてしまう。 「広岡」が「関わり」を絶つ生活をしてきたのは、なぜなのか。 ボクサーを諦めても、アメリカにいても、周囲の人と「関わり」を持とうとすれ
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第94回2015/7/5 「広岡」が子猫のために部屋へ帰ろうとしている。おまけに、お土産まで買っている。これまでの彼には、つながりのある人はいないし、日常の普通の用事をする様子は一切なかった。アメリカでのホテル住まいでは、家事
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第93回2015/7/4 「広岡」は、子猫を「綺麗だった。」と思っている。ただし、子猫の姿を見て、「綺麗」と思っているのではない。汚れ具合と猫の毛の模様をしっかりと見て、「綺麗だった」としている。 また、「かわいそう」と思って
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第92回2015/7/3 ボクサー仲間の二人目となる「佐瀬」と言う人物の名が出てきた。彼は、今は実家に戻り農業をやっているらしい。 「広岡」は、仲間だった「藤原」が刑務所を出たら、一緒に暮らすつもりのようだ。 「佐瀬」は、どん
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第65回2015/7/2 「代助」の論理が述べられている。私は次のように理解した。 山の中に住んで林業をしているような境遇の男性は、親の取り決めた通りの女性と結婚するのがふさわしい。女性と出会う機会が少ないのだからそれが安全な結
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第91回2015/7/2「老いた元ボクサー」という存在の末路に暗然としたものを覚えていた。 沢木耕太郎の文体は分かりやすい。文が短く、漢字は少なめだ。会話は日常のものを自然に表している 引用した部分のような箇所は珍しい。そして
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第64回2015/7/1彼は三千代の顔や、容子や、言葉や、夫婦の関係や、病気や、身分を一纏めにしたものを、わが情調にしっくり合う対象として、発見したに過ぎなかった。 なかなか理解が難しい部分だ。 「三千代」のことを何もかも「しっ
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第90回2015/7/11かりにその世界から出て行こうとしても出て行かれなかったにちがいない藤原のようなボクサーこそ、真のボクサーなのかもしれない。真のボクサーは、ボクサーであることをやめても、元ボクサーとしてしか生きていけな
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第63回2015/6/30 事件と言うほどの事はなかったと読んでいたら、また裏をかかれた。 ただの芝居見物ではなくて、「代助」をある女性と会わせようという計略だった。その女性とは、父や兄が、「代助」に結婚しろと勧めていた女性だった
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第89回2015/6/30 この回は作者の個性が出ている場面だ。タクシーの運転手との会話。主人公の外見、寡黙で飾らない、飾らな過ぎて強面に見える男の外見。 作者のペンが滑らかに進むのを感じる。 「広岡」の外見から彼の素性を探ろう
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