本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第89回2017/4/1 金持ちと金持ちの若旦那ばかりを客にしている京都の芸妓なので、俊介は別としても喜久雄のことなぞ相手にしないと思っていた。逆だったようだ。市駒は、自分の年に近く、しかも自分の貧しい生まれのことを素…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第88回2017/3/31 歌舞伎名門の御曹司と、舞妓のお座敷の外での逢引は京都の夜に似合いの風景と感じる。そこに、役者見習いになってまだ一年そこそこの喜久雄が、しっくり馴染むのかどうか、次回以降が待たれる。 権五郎は、
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第回2017/3/20 お金は人を動かす。現実でも小説でも。この小説でもお金が描かれていくだろう。 マツは、立花組のことも自分のことも全てを投げ打って、喜久雄のためにお金を作るに違いない。だが、その力も尽きかけている。
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第86回2017/3/29 歌舞伎の家に入ったら、たとえ、急に預けられた身だとしても、そのしきたりは分かってくるのだろう。稽古と高校は一緒でも、俊介は二代目花井半二郎の御曹司で、喜久雄は全くの素人の出だ。二人の差は歴然と
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第回2017/3/28 喜久雄と俊介は、まるで兄弟のようだ。同い年だから、双子のようなのかもしれない。喜久雄が、俊介を「俊ぼん」と呼んでいるのは皆がそう呼ぶからか、それとも、自分を下だと意識しているからだろうか? 喜久
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第84回2017/3/27 喜久雄は、稽古がおもしろくてたまらないのだろう。今までは、観客として観ていた舞台を役者の立場でやれる。しかも、きっと喜久雄は飲み込みがよく、俊介と同じ稽古についていくことができているのだろう。
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第83回2017/3/26 マツからの仕送りのことを読んで、マツの気持ちを次のように感じた。 マツは、千代子が生きているうちから権五郎と夫婦同然になりましたが、それは自分から望んだことではありませんでした。当時のマツは、
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第82回2017/3/25 徳次の気持ちについて、次のように感じる。 立花組での暮らしはおもしろかったが、花井の家での暮らしはもっとおもしろいと思っています。 番頭の源吉さんや女中頭のお勢さんは、徳次をかわいがってくれま
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第81回2017/3/24 稽古に励む喜久雄の気持ちについて、次のように感じる。 女将の幸子も、息子の俊介も今まで見たことのないような人です。幸子はきれいでよくしゃべります。俊介は、こんな男がいるのかと思うほど色白です。
>>続きを読む

 大阪に出て来るまでの春江について、次のように感じる。 喜久雄と徳次が長崎にいなくなって、急に一人ぼっちだと、春江は思います。大阪からは、時々ハガキが届きます。短い文面には、喜久雄が高校へ通っていること、役者の稽古をしていることが書かれています。どうやら
>>続きを読む

感想その4 父仁志は、圭太の細かな変化には気付かなかった。供子から、圭太の変化について相談された時もはっきりとした意見を言えなかった。だが、母供子とは違う角度から息子を見ていた。 仁志は、圭太とサッカーチームについて話し合っている様子はなかった。だが、圭太
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第80回2017/3/23 徳次がいなければ、喜久雄の新年会の踊りはできなかった。徳次がいなければ、喜久雄が半二郎の家に馴染めなかった。喜久雄が、半二郎にその資質を認められたのは、徳次の存在抜きには語れない。  立花組の
>>続きを読む

51~60回 ドスに手応えはあった。が、それと同時に体育教師尾崎の体当たりを食らって、喜久雄は弾き飛ばされた。宮地の傷は浅いものだった。 傷の手当てに、医務室へ行った宮地の大親分に、尾崎が次のように、話を持ち掛けた。 「今回の刃傷沙汰を公けにすると、失敗はし
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第79回2017/3/22 この小説の語り物のような調子は、どんな効果を上げているのか。今回は、語りと登場人物の会話でほとんどが構成されている。 この「あります。」という文末は、ナレーションや作者の視点というより、物語の
>>続きを読む

感想その3 圭太が母に秘密を持つようになって、供子はすごく心配した。心配し過ぎ、干渉し過ぎると、母と息子の関係は壊れただろう。圭太と供子は、そうならなかった。その原因は、父仁志の動きにもあった。また、母が息子のことを信頼していたことが大切だったと思う。 も
>>続きを読む