本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第379回2018/1/25 喜久雄の新しい人格が、見える。自分がよい役につけなかったことも、ひどい扱いを受けたことにも不平不満を言うことのないのが、喜久雄の人柄であり、舞台への姿勢でもあったと思う。 その喜久雄が、共演…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第378回2018/1/24 美を追い求め、芸を極めつくすとこういう境地になるのであろうか。万菊の安宿での時間は表ざたにできないことであろうが、この気持ちには、ほっとさせられる。 ただし、純粋に芸を極めつくした境地だけと
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 小野川万菊と言うと忘れられない場面があった。 あまりに強烈な体験に心が拒否反応を示すのですが、次第にその化け物が物悲しい女に見えてまいります。「いや、こんなもん、女形でもないわ。女形いうもんは、もっとうっとりするくらいきれいなもんや。それが女形や」 喜
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第377回2018/1/23 「陽気な婆さん」と周囲の人に思われて、死んでいった万菊は、潔(いさぎよ)い。 舞台に立てなくなって、歌舞伎界と縁を切ったのだろう。現役でなくなっても、万菊ほどの稀代の名優なら、大御所として尊
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第376回2018/1/22 俊介の同時襲名から、早くも三年が経っていた。喜久雄にも俊介にも大きな変化はないようだ。  登場した歌舞伎役者の中で、小野川万菊は、二代目半二郎に匹敵するほど紙数を割かれている。 万菊の芸の凄み
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NHKテレビ 高麗屋 三代の春 ~襲名・松本幸四郎家 歌舞伎に生きる この番組を見て、驚いた。連載小説『国宝』で描かれている襲名への取り組みが、そのままドキュメンタリーになっていた。と言うよりは、事実を小説が忠実に描いているということだ。 私には、職業とは一
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第375回2018/1/21 前回の感想で、「不思議なのは」と書いたが、その疑問に対する答えが、俊介自身の口から吐露された。 (略)私は、父が、この丹波屋の大名跡を継ごうとする席に立ちあうことができませんでした。これほど
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第374回2018/1/20 今の俊介に欠けていることはない。芸の精進は実を結んでいる。息子は、親の望む道を歩んでいる。妻と母は、家を見事に支えている。恩のある源吉の幹部役者昇進も叶い、大御所の役者から認められ、喜久雄の
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第373回2018/1/19 私は、父と同じ業種の会社に入り、定年まで働いた。父と同じ仕事をしていることへの気持ちは、肯定と否定は半々だった。今、振り返ると否定的な考えはなくなっている。あるのは、仕事の本質にもっと迫りた
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朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・内巻敦子画『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第46回 第8話 また夜が明けるまで⑦最終話 2017/12/8あらすじ 試合は後半に入り、浜松がフリーキックを得て、一点入る。試合終了直前、土佐が得点し、同点となる。この時
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第372回2018/1/18 前回の同時襲名(俊介の父と喜久雄)も、世間の話題をさらい、大阪歌舞伎界挙げての襲名披露公演になるはずだった。 今回の俊介、一豊の同時襲名は、あの時を上回る盛り上がりぶりだ。前回との何よりの違
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第371回2018/1/17 俊介の父と喜久雄の同時襲名の時と、似通っている所がある。俊介の体の異変、チケットのために舞台以外の仕事が増える、テレビのインタビュー番組への出演、これがどう発展するか、分からない。 読者とし
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第370回2018/1/16①「語り手」を登場させる効果が感じられない。②普通の小説というよりは、語り物、あるいは脚本の要素を持ち込もうとしているかと思わせたが、それが徹底していない。③『太陽のカラヴァジョ』撮影の最終場
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第368回2018/1/14 俊介と喜久雄の周囲で、良いことばかりが続いている。 俊介の親子二代の同時襲名の準備は着々と進んでいる。しかも、一豊の学校の方も希望が叶った。  喜久雄は、歌舞伎映像大全集のための大舞台を勤め
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