本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第133回2017/5/17 若いテレビディレクターの要求をはねつけて帰ってしまった師匠の代りに、弁天と徳次が番組の穴を埋め、しかもそれが、大受けする。そんな展開を予想したが、それほど甘いものではなかった。 もしテレビの…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第132回2017/5/16 喜久雄は、スターと言っても、歌舞伎の舞台上のこと。取材を受けるのも雑誌に載るものだし、後は写真がせいぜいのようだ。 だが、時代はいよいよテレビ全盛に移っていく頃だと思う。 そのテレビでの演芸
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第131回2017/5/15 映画には出演しなかったらしい弁天が、また元気に登場した。そういえば、130回では、春江が登場している。 人気者になった喜久雄だが、お高くとまっていないようで、安心した。 テレビ収録に怖気づく師匠
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第130回2017/5/14 やはり。 それにしても、徳次らしい。 そして、半二郎の次の言葉がカッコイイ。「(略)あとで世話かけられるより、先に世話焼いたるほうが」マシや。 これで、徳次の身の振り方が定まったようだ。
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第129回2017/5/13 驚いた! ここまで、役者として適性があったとは。 喜久雄と俊介の「二人道成寺」は、歌舞伎の舞台、いわば日の当たる場所でのスター誕生劇だった。それに対して、徳次の主演映画「夏の墓場」は、いわば
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第128回2017/5/12 徳次は、威勢の割にはそれほど喧嘩が強いわけではない。しかし、人好きのする所がある。それに、今回のドキュメンタリー映画への意図せぬ出演の様子から、役者には向いていそうだ。また、少なくとも極道や
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第回2017/5/11 徳次と弁天は、持ち前のしぶとさと悪知恵を使って脱走したと思いきや、「見ず知らずの人たちの恩義に」助けられて大阪まで辿り着いた、と語られている。なんとも、おもしろい。 しかも、大阪に着いてからの二
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第126回2017/5/10 少なくとも二、三年間は北海道でいろいろな経験をした、と予想したら、見事に外された。 徳次と弁天が行った先は、普通なら、逃げ出せない刑務所のような飯場だ。そこから一月後に帰って来た、ということ
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101~125回 第五章 スター誕生 あらすじ 第四章から四年近くの歳月が流れ、第五章 スター誕生は、昭和45(1970)年4月の時点になっている。 喜久雄は、花井東一郎を襲名し、京都南座で端役ながら初舞台(昭和42年喜久雄17歳)を踏んでいた。 しかし、当時は関西歌舞伎
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第125回2017/5/9 語り手が、徳次のことを丁寧に扱っている。それほどこの物語の中で徳次は主要な人物なのだ。 徳次が北海道から帰って来たことだけが、描かれているのではない。徳次は、大部屋ながら役者に戻っている。しか
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第124回2017/5/7  歌舞伎の世界には、うまい役者、いい役者、と呼ばれる人は何人もいる。そして、そういう一流と認められる役者は、歌舞伎をよく観る観客には知られている。 ところが、私のように歌舞伎を観たことのない者
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朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・内巻敦子画『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第16回2017/4/21  第3話 三鷹を取り戻す⑤(第3話 最終回)あらすじ 貴志と松下は二人並んで、三鷹と弘前の試合を観始める。松下は、自分が応援している弘前の順位も知ら
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第123回2017/5/6 歌舞伎に限らず、名門の御曹司の強みは生まれた時から、本物、それも一流のものに囲まれていることだと思う。 俊介が育ってきた邸で、聞こえてくる三味線の音、義太夫の節回し、舞踊の所作、どれも当代の一
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第122回2017/5/5  一人の劇評家の言葉で、興行会社の社長が動いた。一か八かの賭けのような南座での出演だった。初日が終わると一日にして、爆発的な人気になった。 花井半弥と花井東一郎の役者の名がどのように、世間に知
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第121回2017/5/4 繰り返しになるが、育ての母のマツは、「花井東一郎は私が育てた」と威張って言いたいがために、過去もプライドも捨てて、女中奉公している。 歌舞伎界の大御所である花井半二郎は、俊介と喜久雄の大舞台を
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