本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一第51回2017/2/22 旅立ちの長崎駅の風景は悲しげに描かれている。 長崎を出る喜久雄と見送るマツは、なんとも慌ただしげだ。だが、立花の組員たちは一年ぶりの晴れやかさを感じているようだ。 短いやり取りしか描かれていないが、門出の喜…
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朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第7回2017/2/17第2話 若松家ダービー②あらすじ 圭太が雄琴に行っていたのは、実は家族で応援していたチームとは違うチームの試合を観るためだった。若松家は、家族揃って泉大津ディア
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一第50回2017/2/21 喜久雄が敵討ちを心に決めたのは、権五郎の臨終の時と読み取れる。そうなると、周囲の皆と徳次を完全に欺いていたのだ。しかも、決行の手順については、冷静に計算している。この一年、喜久雄はじっとこの瞬間だけを待って
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一第48回2017/2/20「俺も昼まで学校行ったら、徳ちゃんと一緒に大阪にいくけん」(48回) 喜久雄は、大阪に行くものと思った。長崎にいては先が開けてこないと思った。(略)事務所から盗んできた刃渡り二十センチのドスの重みが伝わってまい
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一第48回2017/2/19「今日、坊ちゃんが久しぶりに学校に行くって、春江に聞いたもんやけん」「ああ」 徳次の言葉を喜久雄は聞き流します。 徳次は喜久雄とは顔を合わせていなかったが、春江とはちょくちょく会っていたのかもしれない。そうだ
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一第47回2017/2/18  学校に行こうとすると、母親に珍しいと言われる。昨晩教師に殴られてきたことを、若い衆に知られていて、しかもそれを母の前で言われる。父の位牌に手を合わせると、これも珍しいと組員からちゃかされる。 組の本家だか
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一第46回2017/2/17 錆刀は、包丁とは違うので、研ぎ直しても元にもどりはしない。錆刀は、捨て去るしかないのだ。「俺が将来、立花組ば継いだら、真っ先にお前の玉とってやる」  この言葉が、喜久雄の唯一の武器、喜久雄の刀なのであろう。
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一第45回2017/2/16 この教師は、厳しいけれど心配もしてくれている、と思いたい。が、尾崎という教師は、普段から喜久雄をヤクザの息子ということで毛嫌いしているだけのようだ。 喜久雄を取り巻く大人たちと春江のことを見直すと、彼の環境
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一第44回2017/2/15 先の展開の楽しみとなる伏線が、縦横に張られ続ける。 殴ったのは、誰か。喜久雄はどうやって反撃するか。 そして、いくつもの知りたいことが出てくる。①脱走してきた徳次はどうなったのか。②喜久雄はまだ中学校を卒業
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 敗戦後の混乱が落ち着き、昭和の経済発展の頃の庶民の影の部分を、どうして忘れていたのだろう。また、東京オリンピックに日本中が沸いた頃にも辛い暮らしをしていた人々は多かった。それを、どうして取り上げないのだろう。 私の知っているものでは、映画『ALWAYS 三丁
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一第43回2017/2/14 「長崎ブルース」「長崎は今日も雨だった」どちらも好きだ。でも、この曲が好きだったとは人前では言わない。ベンチャーズやローリングストーンズの曲を好きな曲としてあげる。 青江三奈、クールファイブは、ひっそりと一
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朝日新聞記事「生き方」より「在り方」 沢木耕太郎さん「春に散る」に加筆し書籍化2017/1/26 この記事に紹介されている沢木耕太郎の言葉が、気になっていた。 『国宝』に、「彫師の辰」のことが出て来て、再び思い出した。『春に散る』と『国宝』が描いている昭和生まれの
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朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第6回2017/2/10第2話 若松家ダービー①あらすじ登場人物若松家 供子(母)  仁志(父)  圭太(長男 高一)  真貴(圭太の妹 小五)フナこと舟井倫明(泉大津ディアブロのDF)
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一第42回20172/12 鳶職だった男は、一兵卒として戦場に送られた。男は、サイパン島で、組織的な戦闘が終わってもなおゲリラ戦を行わされた。男は、ジャングルの中で無数の蟻にたかられた。男は、爆弾で片足を失った。男は、米軍の捕虜となっ
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一第41回2017/2/11 女形の舞にふさわしい体型だということが、描かれていて、気になった。(略)少年の背中が華奢なせいか(略) 喜久雄のことを「少年」と書いたのも初めてではないか。 春江という女がいて、殴り込みの時には自分も駆けつ
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