本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』の感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第375回2018/1/21 前回の感想で、「不思議なのは」と書いたが、その疑問に対する答えが、俊介自身の口から吐露された。 (略)私は、父が、この丹波屋の大名跡を継ごうとする席に立ちあうことができませんでした。これほど…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第374回2018/1/20 今の俊介に欠けていることはない。芸の精進は実を結んでいる。息子は、親の望む道を歩んでいる。妻と母は、家を見事に支えている。恩のある源吉の幹部役者昇進も叶い、大御所の役者から認められ、喜久雄の
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第373回2018/1/19 私は、父と同じ業種の会社に入り、定年まで働いた。父と同じ仕事をしていることへの気持ちは、肯定と否定は半々だった。今、振り返ると否定的な考えはなくなっている。あるのは、仕事の本質にもっと迫りた
>>続きを読む

朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・内巻敦子画『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第46回 第8話 また夜が明けるまで⑦最終話 2017/12/8あらすじ 試合は後半に入り、浜松がフリーキックを得て、一点入る。試合終了直前、土佐が得点し、同点となる。この時
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第372回2018/1/18 前回の同時襲名(俊介の父と喜久雄)も、世間の話題をさらい、大阪歌舞伎界挙げての襲名披露公演になるはずだった。 今回の俊介、一豊の同時襲名は、あの時を上回る盛り上がりぶりだ。前回との何よりの違
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第371回2018/1/17 俊介の父と喜久雄の同時襲名の時と、似通っている所がある。俊介の体の異変、チケットのために舞台以外の仕事が増える、テレビのインタビュー番組への出演、これがどう発展するか、分からない。 読者とし
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第370回2018/1/16①「語り手」を登場させる効果が感じられない。②普通の小説というよりは、語り物、あるいは脚本の要素を持ち込もうとしているかと思わせたが、それが徹底していない。③『太陽のカラヴァジョ』撮影の最終場
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第368回2018/1/14 俊介と喜久雄の周囲で、良いことばかりが続いている。 俊介の親子二代の同時襲名の準備は着々と進んでいる。しかも、一豊の学校の方も希望が叶った。  喜久雄は、歌舞伎映像大全集のための大舞台を勤め
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第367回2018/1/13 仲が良く皆が互いのことを思い合っている家族だ。俊介の一家がそうなっている。 面白みがない。 春江が、息子の進学や旦那のチケットを売る事ばかり心配しているのは春江の本当の姿ではない。 俊介が、
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第366回2018/1/12 いろいろなことが一気に示された。①綾乃は、俊介の家にいて、すっかり立ち直っている。②徳次が読者家ということが初めて知らされた。③俊介の襲名の準備が着々と進んでいる。 一方で、疑問も出て来る。
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第356回2018/1/11 ごく普通の母親が現れた。今の春江は、我が子に期待する昭和時代の普通の母親になっている。なんだか、がっかりしてしまう。 俊介と春江が、常識的で物分かりのよい人になればなるほど、不安が増す。喜久
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第364回2018/1/10 「約束」と徳次が言ったので、例えば次のようなことかと思った。 綾乃に決して寂しい思いをさせるな。 中国で消息を絶っても、自分の方から連絡を取るまでは決して捜さないでくれ。 徳次には、裏方とし
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第363回2018/1/9 喜久雄と徳次の言葉の交わし合いが心に沁みる。  この二人、似通ったところがある。生みの母が被爆者だ。また、それぞれの実母は、辛い状況の中で死んでいる。 喜久雄には、妻と認知した子もいるが、役者
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第362回2018/1/8ぜんぶ坊ちゃんのお陰や。これまでの俺の人生はな、ほんまに坊ちゃんのお陰で最高やってん。 他人(ひと)に感謝している。 自分の人生に満足している。 徳次のこの心根が、人生の裏側を毎日見せられている
>>続きを読む