本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第120回2017/5/3 読んでいるこちらまで緊張してくる。  この大舞台をしくじったら、スター誕生どころではなくなるのではないか? その上、半弥はともかくとして、東一郎には今後大役は回ってこないのではないか?  舞台…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第119回2017/5/2 役者と金についての、半二郎の言葉と語り手の言葉が見事に呼応している。人気商売と金、なんとも難しいものだと痛感させられる。通帳の金額にも、半二郎の苦労と心配りが込められている。 「大阪へ連れて行
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朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・内巻敦子画『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第15回2017/4/14 三鷹を取り戻す④あらすじ 貴志は、中学生の時以来の三鷹のスタジアムに来た。貴志が行かない間に、三鷹を応援する人々は増えていたし、スタジアム内の様子
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第118回2017/5/1 権五郎を、辻村が撃った場面に居合わせたことは、記憶から消してしまいたい。権五郎や辻村につながる人とは一切関わりたくない。しかし、辻村から頼まれたことを断れば何をされるか分からない。 辻村から頼
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第117回2017/4/30 稽古に打ち込む喜久雄の姿が美しく描かれている。 喜久雄がこうやって稽古に打ち込んで過ごした陰にはマツの必死の仕送りがあった。その仕送りが無理なものになっているのを半二郎は知っていたであろう。
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第116回2017/4/29 マツは、優しくて強い。 マツが、喜久雄の生みの親千代子の生きているうちに、権五郎の妻同然になったのは、マツ自身が望んだことではない。それどころか、マツに責任はないのに、千代子に対して申し訳な
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第115回2017/4/28 前回(114回)の感想で、喜久雄が大阪の半二郎の家に行くことができたのは、尾崎と辻村のおかげと書いた。 しかし、半二郎の家にいることになっても、喜久雄が義太夫や踊りに興味を持つことができなければ
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第114回2017/4/27 世間の大部分の同世代の者は、高校へ行き、その中の何割もが大学へ進んでいる。また、数は少なくなっていたが、中学校を卒業して都会へ出て働いている者もいた。 そういう世相の中で、喜久雄は義太夫節や
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第113回2017/4/26 どんな仕事にも、他の人には知られていない陰の部分があるものだ。歌舞伎役者と聞けば、それなりに華やかな面を想像する。だが、限られた人数での地方巡業となれば、看板役者と言えども、裏方や興行担当と
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第112回2017/4/25 喜久雄は、歌舞伎をバカにされたことに腹を立てたわけではなかった。竹野の「悔しい思いで人生を終える」の一言に腹を立てたのだった。 そう、父権五郎の最期が呼び覚まされたのでございます。 権五郎が
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第111回2017/4/24 竹野の言葉に注目した。「歌舞伎なんて、ただの世襲だろ? 今は一緒に並べてもらってても、最後に悔しい思いして人生終わるのアンタだぞ」  歌舞伎に門外漢の私にしてみれば、この言葉が正しいと思える
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第110回2017/4/23 劇評家の藤川教授は、「自分が江戸時代にいるのかと錯覚したくらい」と言っていた。ということは、二人の舞踊は伝統通りの芸だったのだろう。半二郎が、骨に覚えさせると教えた踊りは、伝統を忠実に伝える
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第109回2017/4/22  喜久雄と俊介の『道成寺』でのきれいさに評判が立っているのかと予想していた。二人の舞台での美しさが素人受けしていたのではなかった。大学教授の劇評家に「激賞」されるとは、東一郎と半弥の舞踊の芸
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第108回2017/4/21 辻村でも出てきたかと心配したが、「福の神」が現れたようだ。この梅木社長によって、二人の役者としての今後が変わりそうだ。 今回の冒頭で、東一郎こと喜久雄の気持ちが描かれている。(略)舞台に立つ
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第107回2017/4/20 役者修行の前から、喜久雄は歌舞伎好きだった。そのことが、何となく腑に落ちなかった。私は、喜久雄と同年代だ。私が育った所は、東京や大阪からは遠く離れているが、それにしても周囲で歌舞伎に興味があ
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