本屋のとなりは写真館

新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 の感想と、読んだ本の感想を更新しています。

新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第97回2018/9/8 朝日新聞 洋一郎と川端久子(大家)さんは、共通の仕事だと思う。高齢になった人がそこで人生を終える住居の施設長であり、大家である。 だから、洋一郎は晩年を過ごす多くの人々の日常を見知っている…
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第96回2018/9/8 朝日新聞 洋一郎は和和泉台ハイツを見て、そこで父が晩年を過ごしたことに強い違和感を感じている。「‥‥‥このアパート、お年寄りには似合わない気がしますけど。(略)」 ところが、川端さんはそん
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第95回2018/9/6 朝日新聞 洋一郎が、父について聞かされてきたのは、「お金にだらしがなくて、身内にも迷惑をかける人」が一番多かったと思う。それだけに、父が家賃を遅れるとことなく払っていたと聞いて、「ほっとし
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このブログをご訪問いただいている皆様、私の住む地域では、今回の地震で震度5を経験しました。地震直後から昨日9/7 20:00頃までは停電でした。被害は、私の近隣では目立つものは、停電によるもの以外にはないと思います。私自身の家もCDを入れている棚が倒れただけで、物
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第94回2018/9/5 朝日新聞 私の子どもの頃は、七十歳を過ぎると、長生きの部類に入った。八十歳を超えると、長生きですねえ、と間違いなく言われた。九十歳を超えると、無条件におめでたいこととして驚かれた。 だから
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第93回2018/9/4 朝日新聞 老人向けのアパートではないのに、借りる人が老人ばかりになる。このことは、私の身近ではまだ経験がない。そう感じたが、いやまてよ、と思い直した。 アパートではないが、私たち夫婦のよう
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第92回2018/9/3 朝日新聞 私の住む市にも高齢者の優待パスがある。私は、今年はじめてそれを申請した。はじめて手にすると非常に得をした気分になった。だが、実際に使ってみると、それは決して老人を優遇するための制
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第91回2018/9/2 朝日新聞 私自身は、私が受け継いできた墓に入るだろうと思っているせいか、自身の死後の遺骨の扱いについてこだわる気持ちがない。もしも、自分の死後の始末を誰にもやってもらえそうもない境遇に置か
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第90回2018/9/7 朝日新聞 この小説の時間設定が現実と一致している意味を感じる。それは、『ひこばえ』のおもしさでもあり、つまらなさでもあると感じている。小説としてのつまらなさというのではなく、ああ今はやはり
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第89回2018/8/31 朝日新聞 どんな父であっても、父は父だから、遺骨を手元に置くのを断れない。 母と自分たちを辛い目に遭わせて、別れてからは一度も音信のない父であった。実の父であるからこそ、その遺骨を短い時間
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第88回2018/830/ 朝日新聞 収骨の違いを初めて知った。私の方は、東日本の収骨方式だった。だいたいが北海道は、東日本西日本の区分けの意識があまりない。県という区分の意識すら低い。 葬儀、火葬、収骨、墓、そうい
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第87回2018/8/29 朝日新聞 父についての洋一郎の思い出は、序章にあった小さなこいのぼりをあげてくれた父であり、近所のタバコ屋さんのおばさんと気さくに話す父の姿であった。そして、そのわずかな思い出以上に、父に
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第86回2018/8/28 朝日新聞 父の死を知らされてからの洋一郎の気持ちについては、ぼんやりとは読み取ることができていた。今回で、はっきりと洋一郎の感じていることが伝わってきた。彼の感情、心情に共感する。 悲しみ
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第85回2018/8/27 朝日新聞 洋一郎の家には、仏壇はなさそうだし、墓を所有していない。 洋一郎は、大家さんに悪い印象を与えないために、話す内容や言葉について慎重に考えていたが、父の遺骨をどうするかは、まったく
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第84回2018/8/26 朝日新聞 読者としての私は、姉や洋一郎と同じように、大家さんに苦情を言われないか、また、亡くなった父の遺品や遺骨のことで、面倒なことを言われないか、そんなことばかりを考えていた。 五十代の
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