本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』の感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第366回2018/1/12 いろいろなことが一気に示された。①綾乃は、俊介の家にいて、すっかり立ち直っている。②徳次が読者家ということが初めて知らされた。③俊介の襲名の準備が着々と進んでいる。 一方で、疑問も出て来る。…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第356回2018/1/11 ごく普通の母親が現れた。今の春江は、我が子に期待する昭和時代の普通の母親になっている。なんだか、がっかりしてしまう。 俊介と春江が、常識的で物分かりのよい人になればなるほど、不安が増す。喜久
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第364回2018/1/10 「約束」と徳次が言ったので、例えば次のようなことかと思った。 綾乃に決して寂しい思いをさせるな。 中国で消息を絶っても、自分の方から連絡を取るまでは決して捜さないでくれ。 徳次には、裏方とし
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第363回2018/1/9 喜久雄と徳次の言葉の交わし合いが心に沁みる。  この二人、似通ったところがある。生みの母が被爆者だ。また、それぞれの実母は、辛い状況の中で死んでいる。 喜久雄には、妻と認知した子もいるが、役者
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第362回2018/1/8ぜんぶ坊ちゃんのお陰や。これまでの俺の人生はな、ほんまに坊ちゃんのお陰で最高やってん。 他人(ひと)に感謝している。 自分の人生に満足している。 徳次のこの心根が、人生の裏側を毎日見せられている
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第361回2018/1/7 大阪に来た喜久雄が役者への稽古に慣れてきた頃、徳次は、源さんのような番頭になるのだろうと思わせられた。そうはならなかった。北海道から戻った徳次は、歌舞伎の大部屋役者兼、喜久雄の付き人のようなこ
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第360回2018/1/6 仕事に打ち込めている人が今の世にどれほどいるだろうか。今やっていることに打ち込むどころか、何をすべきかわからない、職業には就いているが自分に向いている仕事をさせてもらえない、そういう人が圧倒的
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第359回2018/1/5 死んだ春江の母は、松野から離れられなかった。春江は喜久雄を好きだったのに、俊介に引きつけられた。春江が一緒に身を隠した俊介は、春江のヒモ同然の男だった。春江が、母に助けを求めた時の俊介は廃人同
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第358回2018/1/4 ようやく春江の長崎時代が語られた。春江の生まれと育ちがここまで描かれなかったのには、理由があるのと思う。おそらくは、彼女の過酷な生まれと育ちは、ストーリー展開にとって、それほど重要ではないので
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第回2018/1/3 春江の強みは、どんな人の気持ちをもつかめるところだと思う。 俊介のご贔屓筋で祇園での遊びも心得た実業家、一豊の学校の母親たち、丹波屋の弟子と使用人、それぞれに接し方があるし、言葉も態度も変えなけ
>>続きを読む

国宝 あらすじ 326~350回 第十四章 泡の場 光源氏と空蝉などの女たちを、喜久雄と俊介が日替わりで演じるという趣向の『源氏物語』は、大成功を収める。劇評家の藤川教授は、「半二郎と半弥の二人は、それぞれの仕方で必死に歌舞伎に食らいつき、今やその歌舞伎に取り
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第356回2018/1/1 連載で言うと、一年前が、権五郎の新年会の様子だった。賑やかで、盛大で、喜久雄と徳次の余興も大成功だった。 俊介の新年会も、盛大で、華やか、家族、弟子、使用人皆揃って、客を迎えている。舞台裏で倒
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第355回2017/12/31 いきなり、一豊のバスケットボールの試合が出て来たので、その試合で、一豊が怪我をするなどの出来事が起こるかと思った。 そんな予想とは違って、丹波屋の賑やかさと、春江と幸子の活躍ぶりが、より生き
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第353回2017/12/29 「第十四章 泡の場」の後半と「第十五章 韃靼の夢」で、新しい人物が登場した。西嶋  ・俊介の後援者 ・全国展開の居酒屋チェーンの社長 ・祇園でも遊び慣れている伊藤京之介 ・人気二枚目の立役歌
>>続きを読む