本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第61回2015/6/26 「代助」は、一族の資産で生きている人だ。今回で、その一族の事業に何かが起こったのではないかと思わせられる。青山の家へ着く時分には、起きた頃とは違って、気色がよほど晴々して来た。 のんきな雰囲気が出ている…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第84回2015/6/25「アリは世界最高のスポーツマンだった。いま、アリは体が不自由になっている。でも、逃げも隠れもしないで、その体をさらしながら生きている。」 成果をあげたアスリートを最高のスポーツマンだと私は思ってしまう。
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第60回2015/6/25縁側から外を窺うと、綺麗な空が、高い色を失いかけて、隣の梧桐の一際濃く見える上に、薄い月が出ていた。 すごい文章力だ。視線の移動(「縁側から」)を示し、簡潔な形容(「綺麗な空」)を効かせ、独特な描写(「高
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第83回2015/6/24 「藤原」は、ボクサー(アリ)のことを貶められて黙っていられなかった。静かに誤解を諭しているのに、年長者をバカにした態度に腹を据えかねた。だが、冷静さは失っていなかったので、自分から先に手を出すことはし
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第59回2015/6/24 漱石の学識からいうと、翻訳された書物には「寺尾」がやろうとしているようなやっつけ仕事があるのだろう。寺尾は、誤訳よりも生活費の方が大事件である如くに天から極めていた。代助は現今の文学者の公にする創作のう
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第58回2015/6/23 この回の「代助」の結論を読んでも感心するようなところは、私にはない。結論そのものよりは、そこに至までの過程がおおげさでおもしろくないと感じるのだ。 これは、文章表現の時代性に影響されていると思う。私にと
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第57回2015/6/22けれども、顧みて自分を見ると、自分は人間中で、尤も歯痒がらせるように拵えられていた。 私にとって、「代助」はまさにこの通りだと思ってしまう。豊かな才能があり、富裕な家に生まれて30歳にして働きもせずに一軒家
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第81回2015/6/22 ボクサーとしての希望が叶わなかった「広岡」だが、今はアメリカの実業の世界でそれなりの地位にいる。現に日本に帰ってきても生活に困る様子はない。更に、ボクサーを諦めた理由は病気によるものだ。普通なら刑務所
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第80回2015/6/21「広岡」は、「藤原」を世界チャンピオンになれるボクサーであったと、今でも思っている。「藤原」は、ジムの会長が一番世界チャンピオンに近いのは「広岡」であると思い続けていたことを、話した。 互いに、なぜそう
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第78回2015/6/19 刑務所に着くまでの時間の長さが感じられる。それと同時に「広岡」が日本にいなかった年月の長さが間接的に描かれていると感じた。 日本にいなかった40年間は、日本の発展が経済面を優先したものであったことも、
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第56回2015/6/19 「三千代」への「代助」の気持ちが強くなっていく過程が描かれている。自分の気持ちが明らかになってくるにつれて、彼女が「平岡」の妻であったことを重く感じてしまう「代助」の気持ちが伝わってくる。三千代はやはり
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第77回2015/6/18 「広岡」はタクシーの運転手と会話している。このような場面はこの小説の特徴だ。 一人で住んでいて近所に家族も知り合いもいない。そういう人には話し相手もいない。話す相手というと、お店の店員やタクシーの運転
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第76回2015/6/17 大変に気に入った文がこの回にあった。 列車の進行に沿って姿を変える富士山、その変化につれて気持ちが変わる様子が描かれている。そういう思いの変化に導き出された次の文がよかった。どんなものでも、遠くから見
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第55回 「代助」と「三千代」の会話はかみ合わない部分があるようだ。誰に対しても、相手の出方を予想できてしまう「代助」が彼女に対してはそれができていない。 百合の花についての二人の感じ方の違いは、過去についての二人の感じ
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