本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・内巻敦子画『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第32回2017/9/1 第7話 権現様の弟、旅に出る②あらすじ 壮介は、久しぶりに神楽を舞うことに自信もなければ、気も進まない。しかし、神楽のリーダーで幼なじみの司朗に説得…
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 マツは、喜久雄の実母千代子を懸命に世話した。あらすじ 第二章 幸子は、俊介が姿を隠しているのに、喜久雄の子を生む市駒の世話をした。あらすじ 第七章   マツは、恨まれてもしかたのない千代子に尽くした。幸子は、憎しみを感じている喜久雄のために市駒の世話を
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第269回2017/10/3 春江は動揺を隠す。 幸子は嫌な予感を持つ。 お勢は「なんや、しょぼくれたお爺(じい)ちゃんですわ」と囁く。 俊介が戻ってくれて、跡取りの一豊ができ、新宗教から抜け出した。東京で、春江とともに
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第268回2017/10/2 いったい、俊介は、発見されたことをどう受け取っているのか。 竹野に感謝している様子はない。かと言って、竹野が画策している復活劇を嫌がっている様子もない。だいたい、竹野が企てていることを知って
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朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・内巻敦子画『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第32回2017/8/25 第7話 権現様の弟、旅に出る①あらすじ 盛岡の支社にいる青木壮介は、東京の本社に戻る塚越君の送別会の幹事をしている。この送別会の翌々日に、壮介は休
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第267回2017/10/1 同じ藤川教授が、喜久雄と俊介の『娘道成寺』を観た時には、次のように言っていた。「(略)一瞬、自分が江戸時代にいるのかと錯覚したくらいですよ」(109回)109回感想 さらに、喜久雄と俊介の南座出演
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第266回2017/9/30 風向きが変わって来たように感じる。竹野の思惑通りには進んでいない。 この劇評では、半弥よりも万菊の方が高く評価されている。それに、竹野や万菊は、俊介復活の演目としては、『加賀見山旧錦絵(かが
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第265回2017/9/29 三代目半二郎の反応は、見事だった。「そんなわけないだろ!」 そう叫び返そうとした自分の声が、たった今、駐車場に反響した記者の声と、まるで一緒なのでございます。 俺は、役者だ。こんなところであ
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第264回2017/9/28 なぜ、喜久雄は、幕が降りるまで観続けなかったのか? 俊介への「劇場を揺るがすほどの拍手」を聞くのが、悔しかったのか? 地下駐車場でこれから起こる事が、今後を動かすのか? そして、今回だけでは
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第263回2017/9/27 見世物小屋での俊介は、身震いするような冷気を、舞台から客席へ吹かせていた。竹野は、その演技に、まるで見ている自分までその臭ってくるような恨みに呑(の)み込まれてしまいそうになった。(230回) 
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第262回2017/9/26   「白虎」を襲名したいという二代目半二郎の願いのために、幸子は、我が子俊介のことを諦めた。 役者への修行に励む喜久雄のために、春江は、故郷と母を捨てた。本物の役者になりたいと御曹司の立場を
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国宝 あらすじ 226~250回 第十章 怪猫 三友本社から出向して、大阪のテレビ局にいる竹野は、同僚に教えられて、山陰の温泉街の見世物小屋の芝居を見に行く。そのわびしい舞台の化け猫の演技に、竹野は釘付けになる。 化け猫を演じた役者の楽屋を訪れた竹野が、目にし
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この番組の最後、佐渡アナウンサーは次のような質問をいたします。「この十年、何を考えていたか?」と。 に応えて俊介は、「なんで自分は丹波屋の跡取りに生まれたのかと、そればかり考えていた」と答えたのでございます。 「跡取り」という言葉は、平成の今は価値のある
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 竹野は、ある程度、俊介と喜久雄の今までの事実を知っているはずだ。だが、それには目をつぶり、喜久雄を、丹波屋を乗っ取った悪役に、俊介を、身を隠して芸を磨いていた丹波屋の正統の後継者に仕立てようとしている。 では、竹野は悪意の興行師、テレビマンか?そんなこ
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第261回2017/9/25 喜久雄は、俊介を追い出そうなどと思ったことはなかった。白虎が倒れてからは、必死で丹波屋を支えようとした。病に伏す白虎を実の父のように感じた。白虎が亡くなってからは、いい役もつかなくなり辛い日
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