本屋のとなりは写真館

新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 の感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第288回2016/1/22 おもしろい方式だ。 一般的には、金を出す人が、必要と思う物を買い与える方法だろう。または、合宿生のリーダーがまとめて買う方法だろう。 「カステラ」方式は、それぞれのわがままが出る可能性がある。また、…
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第77回2016/1/21 明治の東京は、現代とは違った意味で盛んに発展しつつある都市であったろう。宗助が住む借家は、そのように変化し賑やかになっていく東京の中で見捨てられた一隅のようだ。宗助夫婦と小六には、希望も発展も見えて来ない。 
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第287回2016/1/21あのジムの合宿所での五年間について、あの頃と言っただけで通じる相手がまだいるということはすごく幸せなことなんだよ こういう風に思ったことはなかった。でも、その通りだ。 こう語る星と女房の年月は、夫婦に
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第76回2016/1/20事に乏しい一小家族の大晦日は、それで終わりを告げた。 明治時代の家族の大晦日としては、簡素で寂しいものなのだろう。 現代の家族はどうだろうと考えさせられる。今は、多くの家庭に、車もあり、テレビもあり、手軽で豊富
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第286回2016/1/20 食べ物の好み、揃えたい家具、丁寧な言葉遣い、広岡の好みははっきりしている。というよりは、偏っていると言うべきか。とにかく簡素、実用性と機能性の重視、素材を生かした物、そして、丁寧に作られたものを好ん
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第75回2016/1/19 個人の感情と恋愛を貫いた二人の暮らしは暗く寂しい。 世間の習わし通りに生きて金を持っている者の暮らしは明るく賑やかだ。 そう描かれているのだが、作者がどちらの位置に立っているのかははっきりしている。
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第285回2016/1/19 昔をなぞるということもあるが、この四人の昔の共同生活には、「ボクシングの神様」が導いたとしか言いようがないものがある。 運命的と言えるが、それよりは、四人の個性のバランスが絶妙なのだと思う。そして、
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第284回2016/1/18 昔の四人がいたような合宿所は、他のジムにもあったであろう。だが、この四人のような関係は他にはないだろう。その理由は、まずは真田会長の方針が他に類を見ないものだったからだ。もう一つは、四人の個性が絶妙
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第283回2016/1/17二人とも佳菜子に心理的な負担をかけましとしているのが広岡にはよくわかった チャンプを佳菜子が連れて来たので、過去の四人が今の四人へと進み始めた。 佳菜子を入れて五人で出かけることで、再び共同生活に足を
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第282回2016/1/16 どんな家でどんなメンバーでも、共同生活をするのならなんらかのルールを作ることから始めると思っていた。かつてジムの会長であった真田が合宿所においてまったく規則を設けなかったように こんなことは聞いたこ
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第74回2016/1/15 宗助と御米の「凡てが生死の戦いであった」を詳しく描いているのが『それから』だと思う。 学生の同棲も、不倫も、その当事者だからといって、現代では社会から排斥することはなくなった。 そこは、明治時代とは明らかに違
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第281回2016/1/15自分たちにとっていつの日か帰るべきところ、帰るべき家だったような気がしてきた。 私はいつも何かを成し遂げようとして生きて来た気がする。「夢」と称する将来への希望の実現を目指すことはよいことだと疑わなか
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第73回2016/1/14 この回を読むと、御米が安井の本当の妹のような気がしてくる。 『それから』との関連でいうと、どうなるのだろうか。  『それから』と『門』は、連作であるが、続編ではない。しかし、関連する要素は多い。これも不思議だ
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第280回2016/1/14 ネコを飼うかどうかを決めたのも、その名前を決めるのもほとんど三人だけで話し合っている。広岡は、口数少ない。でも、みんなで話し合っているのは間違いない。 一軒の家の住人たちが、非常に重大な事を決めなけ
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第72回2016/1/13宗助は極めて短いその時の談話を、一々思い浮かべるたびに、その一々が、殆ど無着色といっていいほどに、平淡であった事を認めた。そうして、かく透明な声が、二人の未来を、どうしてああ真赤に、塗り付けたかを不思議に思った
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