本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第199回2015/10/22広岡には、この部屋にいても、特にしなければならないことはなかった。 引退後の生活は、これに尽きるなあ。趣味とか引退後の人とのつながりとかいうが、それは「しなければならないこと」にはならない。「しなけれ…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第198回2015/10/21テーブルの上に置いてある携帯電話が振動している音が聞こえた。 広岡の生活ぶりは、興味深い。 ベランダに来るネコの様子がよく見えるのは、ベランダに余計な物を置いていないからだ。昼間だし、広さもある部屋な
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第19回2015/10/20 宗助が継ぐべき遺産は、実際に受け取った額の何倍もあったであろう。また、小六の学資についても潤沢と言えないまでも卒業までの額はあったに違いない。 全て、叔父夫婦の身勝手な処置のせいで、正当な遺産を食いつぶされ
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第197回2015/10/20 広岡はやはりこまめに自炊していた。 男の一人暮らしで、自炊を本格的にやるというのは珍しい。広岡は、今や完全に仕事をしていない引退した男だ。その広岡が、家事をこなし、食事を調理する際には喜びさえ感じて
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第196回2015/10/19昼食後、広岡は食器を片付け、洗い物を済ますと ご飯を自分で作っているということだ。しかも昼食だから、朝、晩も自炊しているのだろう。 一人暮らしで、欠かせないものは、家事の能力だ。今は炊事・洗濯・掃除も
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第195回2015/10/18 そうなんだよなあ。 思いがけないことで、自分の歳を自覚させられるんだよなあ。 広岡は、若い頃と髪型が変わらない。体型も変わらない。どう見ても、アメリカ帰りで裕福なかっこいい男だ。 だが… 年齢はそれ
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第194回2015/10/17 3人のことに注目してきたが、広岡自身は経済的に不安がないというだけで、その他の事情は昔の仲間と変わらない。自分は自分で心臓の発作という爆弾を抱えて戸惑っている。 今後の人生をアメリカにするのか、日本
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第18回2015/10/16 どうしようもない事情だ。叔父はとんでもない人だ。だが、全くの悪意や詐欺まがいの行動とも言い切れない。恐らく、叔母の言うように、叔父の金回りがよければ、小六の学資は続いていたのかもしれない。 小六自身は、父が
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第193回2015/10/16 意外にあっさりと女将の話が続いた。 どうも女将の話の方が事実をとらえているようだ。真琴の店と家の立ち退きを、星が求められていたことからも、真琴の商売が順調だった気配はない。金銭的に困っていた理由は、
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第17回2015/10/15 迂闊と言えば、迂闊な話だ。父の遺産の正確な価値も、その内のどれほどが弟の学資に回されるのかも知らないでいたとは。 だが、これに近いことは現代でもよくあると思う。親の遺産の処分を滞りなくできる方が珍しいのかも
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第192回2015/10/15 女将が、一度終わりにすると言った話を、また蒸し返すことはないだろう。広岡が、女将に頼んでその話の続きをねだるとも思えない。この後、星と真琴の事情はどう描かれるのだろうか。 料理は後一品のはず。 挿絵
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第16回2015/10/14 宗助は、叔父の存在に助けられている面が多々ある。だが、その叔父によって、宗助の父からの遺産は間違いなく減っている。また、人間関係と精神面からは、叔父叔母の言動はありがたいものではなかったようだ。 明治時代の
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を朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第191回2015/10/14 しおりの女将は、真琴からいろいろと相談を受けていた。真琴が亡くなった経緯もよく知っていた。真琴は、しおりを先輩として信頼していたことが分かる。 星と真琴のことも、しおりはよく知っているのかもしれな
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第15回2015/10/12  嫌な人だと感じさせるのは何気ない態度や一言なのだろう。宗助の叔父のちょっとした態度、叔母の一言、これが宗助にどんな印象を与えたかがよく想像できる。 これは、現代の実生活でも同じだ。 宗助と御米の会話からは
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第190回2015/10/12 女将の口ぶりからは、真琴という女性が亡くなったことを知っているとも、まだ知らないとも、わからない。 星は、他の二人よりも広岡にとって関わりが深そうだ。そういえば、星は、会長のお嬢さんに対しても、他の
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