本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第188回2015/10/10 この回の広岡に軽く失望した。 あまりにもこの小料理屋「しおり」の風景になじんでいるところに。 キーウェストのレストランバーで酒を注文した広岡はどこへ行ったのか。若い女性と行ったレストランで、ワインを
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第14回2015/10/9夫婦は世の中の日の目を見ないものが、寒さに堪えかねて、抱き合って暖を取るような具合に御互同志を頼りとして暮らしていた。夫婦がこんな風に淋しく睦まじく暮らして 私には、不思議な様子に見える。こういう状況が長く続く
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第187回2015/10/9四人は、ジムに入って一年後にプロ・デビューすると、全員が快進撃を続けた。 四人それぞれが夢中でボクシングに打ち込み、勝利を得ることで強い喜びを感じたと想像できる。また、四人はプロ選手としてのスタートは
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第13回2015/10/8 叔父にいいようにされたということだ。 遺産の始末がうまくいかないことがあるのは、この時代も現代も同じだ。遺産の整理にかかりっきりになると、自分の仕事ができなくなる。他人任せにすると、任せた人の好きなようにされ
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な朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第12回2015/10/7 遺産の邸を売り払うことは宗助にとって本意ではなかったろう。だが、家に戻って、家を継ぐ事情にはなかったし、その気もなかったようだ。 家というものに対する意識がここに表れていると思う。土地と邸は、家父長が継ぐ制
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第185回2015/10/7 ヘミングウェイの小説についての私の感想は4人の誰とも違っていた。 ただし、自分では4人の感想と少しずつ重なる部分があったと思う。 星が言ったように、一瞬の判断でつかんだ戦法で大金を得たという所には、
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第11回2015/10/6彼のような過去を有っている人とは思えないほどに、沈んでいる如く どんな過去があろうと、今の生活は今の時間の中で過ぎていく。だが、現在の自分から過去を完全に切り離すこともできない。 日本の近代の夫婦の暮らし方の要
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第184回2015/10/6 プロボクサーを目指しているのだから、藤原のように、ボクシングをして稼ぐことができる金に注目するのは、当然だ。よりよい状態で生活するために大金を得たいと思うことは、ボクシングでの努力の動機になるはずだ
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第183回2015/10/5「いつだ?」広岡と常にスパーリングをしている藤原が不思議そうに訊ねた。 回想の場面が続いている。説明が多くなるが、要所要所に会話表現が入る。 ここでは、「いつだ?」が入ることによって、その時の藤原の表
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第182回2015/10/5 自分の理想に近いボクサーや、その所属ジムのスポンサーになるというのは、現実にあると思う。しかし、ボクシングの経験がないのに、ジムを作り、そこで選手を育てることを本業としてではなくやるというのは、空想
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第181回2015/10/3 応募してきた若者を、採用するかどうかは、履歴の書類や実技テストやペーパーテストや面接などを総合的に評価して決める。これは、プロスポーツの場合でも共通する部分があるだろう。 私が、就職のときはこうだっ
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第10回2015/10/2 切実な頼み事をしたのに、相手は返事を先延ばしする。または、引き受けたとも断るともはっきりとした返事をしない。こういう場合は、たいていは断るつもりなのだ。宗助は、そのことをわかっているのだろう。 家族のことを描
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第180回2015/10/2人間というものは本質的に無限に自由でいて無限に孤独なものなんだボクサーは、リングの上で相手よりさらに自由であるために、日夜、必死にトレーニングを積んでいる 野球ができなくなり、ボクシングならなんとかな
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