本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第240回2015/12/3 真田は、広岡に、同情するような態度を見せず、慰めるような言葉も言わなかった。広岡の話を聞いて、同情の心や本人の慰めになるようなことを言わないのはむずかしい。その真田は、自分のことを語りだしたようだ。…
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第47回2015/12/2 坂井にとってみれば、宗助夫婦はとらえどころのない借家人であったのかもしれない。ずいぶんと静かに暮らす夫婦でまるで隠居住まいのように見えていたのではないか。それが、急に若い弟を同居させだした。それに、今回の泥棒
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第239回2015/12/2 会うことのなかった母へどうしようもない思慕の念を持ち続けただろう。 父と兄の微妙な感情を知った際には、これもどうしようもない寂しさと割り切れなさが湧いただろう。 叶うことのない母への思いは、自己憐憫
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第46回2015/12/1 宗助にとっては、坂井の家の子どもたちの様子は珍しいものに映っている。 その中でも、子どもたちのいたずらの一つ一つは興味深いものに聞こえ、世間でよく言われるような子どもの成長についての話などには興味を感じていな
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第238回2015/12/1 予想外の展開だ。 広岡は、白い家のことを藤原と佐瀬に既に知らせていた。ということは、二人は白い家にやって来ることに同意したのだ。同意しないにしても、断ってはいないということだろう。 もう、ひとつ予想
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第45回2015/11/30 宗助は、御米のことをよく考えている。だが、小六を家におくことをやめはしなかった。もし、御米のことを優先させて、小六の世話をしなければ、それはそれで心配を抱えたままになったろう。また、御米にも、家のこととは別
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第237回2015/11/30それがどのようなものなのか、  どんなことだろうか? アウト・ボクサーに何かをプラスしたボクサーだろう。 圧倒的に優位を保つ対戦相手との試合の際に、相手の弱点を、選手自らが見つけられるような頭の良さを
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第236回2015/11/29中量級の中に、スピードとタイミングだけでハード・パンチャーを打ち倒していくボクサーを発見して、アウト・ボクシングを信奉する気持ちがますます強くなった。 真田の理想とするボクサーがよくわかった。 プロボ
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第44回2015/11/27そのうち、障子だけがただ薄白く宗助の眼に映るように、部屋の中が暮れて来た。彼はそれでも凝として動かずにいた。 こういう時間は毎日どこかである。この部分で、宗助の心理を表しているのではあるまい。また、小説の展開
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第234回2015/11/27二人が親しくなったのには、他の兵士には話せない、アメリカでの生活とボクシングという共通の話題が存在したということもあったらしい。 真田については、ボクシング経験はないが熱烈な愛好家で、それが高じてジム
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第43回2015/11/26 珍しく宗助が積極的に他人にかかわろうとしている。それも、抱一の屏風が話題に出たからだ。抱一の屏風は、値打ちものだったのかもしれない。そして、道具屋はそれを宗助からの買値よりもよほど高く坂井に売ったのかもしれ
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第233回2015/11/26 過去の仲間と共に住むという話が具体化するのに、令子に相談することもないと不思議に思っていたら、和菓子の思い出が、真田や令子のことにつながった。 真田は、広岡にボクサーとして大きな期待をかけていたこと
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第42回2015/11/25 やはりこの作者の力は、とてつもない。 泥棒がきっかけになることは少ないが、縁の遠かった隣人とふとしたことから何回か話すようになることは、現代の日常生活でも体験する。そして、その際の夫婦の会話はまさにこの通り
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第232回2015/11/25 コーヒーを淹れる方法や豆の種類は随分と多種に渡って出回っている。その一方、煎茶を専門に扱う店はそれほど増えはしない。 その煎茶よりも抹茶を飲む機会は減るし、自宅で点てることも滅多にない。抹茶の香りの
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