本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』の感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第217回2015/11/10洗濯機とリネン類の置き場にはアイロン掛けができそうなほどの空間がある。 人目を引く外観や広い居間や客室がなくても、毎日の生活には困らない。だが、洗濯物を干し、それを整理できるような空間がなくては毎日の…
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第31回2015/11/6 御米は、宗助より金銭感覚がしっかりしている。収入は宗助だが、それをやりくりしているのは、専ら御米のようだ。宗助には、やりくりの工夫をすることや給料以外に収入を増やそうとする才覚が乏しい。 その点、御米は違うよ
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第30回2015/11/5この侘しい空の下へ濡れに出る宗助に取って、力になるものは、暖かい味の味噌汁と暖かい飯より外になかった。 寄り添って生活している夫婦だからこその感覚だ。恋人同士の男女とは違う。こういう生活感は、恋愛結婚か、親が決
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第216回2015/11/8雨に濡れないようにという配慮のようだったが、広岡は車を降りると、雨の降る道路に立って、あらためて家を見上げた。 佳菜子の配慮が伝わる。こういう配慮ができることを大切にしたい。 一方、その配慮を感じなが
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第215回2015/11/7「どう言ったらいいのか、ポルターガイスト的なものと違って、なんとなくそこに淀むように存在しているものがあるような気がしたんです。人でも、動物でも、物でもない、何かが……」 ホラー映画では、突然、人か動
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第214回2015/11/6ポルターガイストとは家にまつわる怪異現象をさす言葉で、どうやらヨーロッパが発祥の地であるらしい。 広岡は、借りようとする家の値段や間取りを気にする様子はない。気にするどころか、家の大きさや設備などにつ
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第213回2015/11/5「しかし、離婚が三回くらいならアメリカには、それこそゴロゴロいるけどな」 日本でも急激に増えている。日本の弁護士で離婚が三回ということは、離婚にまつわる手続きや金銭上の問題をうまく回避してきたのかなあ
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第29回2015/11/4御米の頭の中には、夫婦にならない前の、宗助と自分の姿が綺麗に浮かんだ。 恋愛結婚の場合、結婚前後の二人の関係は変わる。これは、恋愛結婚に限らない。しかし、恋愛結婚以外では、結婚前に二人が過ごす時間が短いので、そ
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第212回2015/11/4「高校から大学を受験するとき、芸能人と結婚しやすい職業は何かと考えて、同じ芸能人でなければ医者か弁護士だと思ったんだそうです。」 大学受験の目的がこのようなものだったというのは、そんなに珍しいことでは
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第28回2015/11/3 子供ができたのではないか、と思い、御米に訊ねた時の宗助には喜びが見える。 御米は、それを聞かれて、宗助とは逆に非常に悲しそうな様子をしている。御米はたった一人寒そうに、鏡台の前に坐っていた。はいといって立った
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第211回2015/11/3 映画に一緒に行った頃までは、佳菜子が広岡のことを知りたがって、いろいろと質問していた。今度は、広岡の方が彼女のことを知りたがっている。社長は、わたしの…知り合いの弁護士さんのお友達だったんです。 こ
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第210回2015/11/2この若い女性の内部には極めて敏感なセンサーのようなものがあり、それを自分で扱いかねているところがあるらしい。 今までも何度かこのことは出てきた。初対面の広岡に対しての佳菜子の印象も、このセンサーような
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第209回2015/11/1車は小さいが、極めて乗り心地がよかった。 乗り心地や操縦安定性を車の性能のせいにするが、運転の仕方の方が重要だ。燃費も運転の仕方とどこを走行するかで決まる。 どんなに優れた自動車でも、一定の速度を維持
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第208回2015/10/31「こちらは早ければ早いほど」 広岡は、案外急いでいる。他にすることがないからもある。だが、それだけではない。 昔の仲間3人ともが、住む所にも苦労していると知った今、彼にできることは、家を準備することし
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第27回2015/10/30 小六のことはどうもうまくいきそうもない。叔母と安之助は、これ以上小六の面倒をみようという気がないのだろう。そこには、亡くなった叔父が小六のための学資をも使い込んだことへの反省はちっとも感じられない。 叔母と
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