本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第98回2015/8/20 彼は第一の手段として、何か職業を求めなければならないと思った。けれども彼の頭の中には職業という文字があるだけで、職業その物は体を具えて現れて来なかった。彼は今日まで如何なる職業を想い浮かべて見ても、ただ…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第138回2015/8/20 アメリカのテレビで見た「中西」は、試合運びの冷静さとチャンスを待つ精神力から「広岡」にとっては、印象深いボクサーだった。「令子」は、その「中西」と真拳ジムの選手との試合を組ませようとしている。その試
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第97回2015/8/19 「父」は、この縁談が「父」にとって利益になることを正直に話した。また、自分の事業の状況が芳しくないことと、年のせいで弱ってきたことを、隠さずに話した。 だが、我が子「代助」は、それを理解しながらも、「父
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第137回2015/8/19 これ、と決めたことは最後までやり抜く。「広岡」はそういう人間だ。だが、その決めたことをどうしても諦めなければならない事情を一度ならず経験してきた。 一方では、諦めると未練を残さない人間なのだろう。 
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『母 -オモニ-』姜尚中 読み終えた。 「オモニ」が自らの一生を話してくれた。それを私が聴き終えたと感じている。作者を介して文章を読んだのであるが、語ってくれたことを直接聴いたような感覚が残っている。 人の一生を知るということの価値を知らされた。しかも、
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第96回2015/8/18 親子、父と息子の関係がくっきりと表現されている。子が成人し、どのような形であれ、父子の別離が近づくと父の老いが明らかになる。 「父」と「代助」の決別を避けることはできない。だが、父子の関係を妥協によって
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第136回2015/8/18 「広岡」が、今の日本の様子や習慣に戸惑うこともあるだろう。「藤原」と「佐瀬」に会ったとしても、良いことばかりは聞かされないだろう。 「令子」は「広岡」についてこのようなことを考えていたのだろう。彼女
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第135回2015/8/16  歩くのが好き、まるで恋人とのデートのように「広岡」を映画に誘う、「佳菜子」は妙な女性だ。今までも不動産の斡旋とは言い難いほど「広岡」の世話を焼いている。なによりも不思議なのは、年齢が離れ、しかも40
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第134回2015/8/15 最近は、老人ホームという呼び方はあまり使われない。介護施設、老人向けマンション、あるいは、トクヨウ(特養)、ロウケン(老健)などと細分化され、おまけに略称のまま使われている。だが、名称に惑わされては
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第95回2015/8/14 「三千代」との関係は、本心を打ち明け、彼女の覚悟も聞いた。「父」との関係も結着が付く見込みが立った。 残るは、食うための金をどうやって得るかである。 単純なようで、永遠の課題だと思う。 根本的な問いにま
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第133回2015/8/14 この回では全く触れられていないが、真拳ジムの会長のことが気になる。どうやって、「広岡」が真拳ジムに入ることになったかは、明らかになっていない。だが、当時の「広岡」の境遇を考えたら、彼が相当に扱いの難
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第94回2015/8/13 「代助」の何かが変わってきている。今の所は何事も起きてはいない。だが、彼の決然とした様子が伝わって来る。 今までの「代助」について考えてみると、精神と行動を二元的に捉えることが無意味に思える。 表面では
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第132回2015/8/13 読書と映画を見ることを勧める言葉は多い。本は頭、映画は心 このフレーズは初めて聞いた。「会長の口癖だった。」と書かれているが、作者の言葉じゃないかと疑う。 私も『シェーン』を映画館で見たことを思いだ
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第93回2015/8/12 友人の妻に恋することはまずい。それを相手の女性に告げたり、世間に公表するのはもっとすべきではない。 本心はどうであろうと、父の言う通りにしていれば、今後の生活に苦労することはない。結婚も形式的なものだと
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第131回2015/8/12 40年間の空白があると、日本国内を移動していてもまるで外国に来たような気分になることがあるのだろう。 「広岡」にとって、渋谷のスクランブル交差点は、自分の知らない日本を感じさせられたのだろう。 それに
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