本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第7回2015/9/29 宗助の日曜の夕方の気分がよくわかる。 次の休日には、あれをしようと思いながら、いざ当日になると、なかなかそれを実行できなかったことが、私にもよくあった。そして、そのことはなんとなく怠惰の証拠のように思えて、自…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第177回2015/9/29 前回の私の予想は外れた。こうしてジャックは試合に負けることによってめでたく五万ドルの賭けに勝つことになるのだ。 試合の途中で、相手を倒せる戦略を見つけ、それを実行して勝つ。しかも、その戦略は、自分に
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第6回2015/9/28 日曜も夕方となってしまい、明日からの勤めを思うと、つまらなく感じている。そんな宗助の気分を読むと、私も、若いころの自分を思い出してしまう。仕事に慣れたが、同時にだんだんと先も見えてきた年代のころの気分に特に近
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第176回2015/9/28 試合で勝者になれば、チャンピオンの座を守ることができ、今後もボクサーとして活動できる。だが、賭けでは敗者になる。試合で敗者になれば、チャンピオンの座を奪われて、世間からも冷たく扱われるだろう。だが、
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第175回2015/9/26それを読んで来週の土曜までに感想文を書いてきてください。 本のあらすじでなく、読後の感想を書く。本の紹介ではなく、読後の感想を書く。それが、読書感想文だと思っている。 1回の新聞連載の分量は少ないので、
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第171回2015/9/26 私の狭い経験の中でも、頭がいい、ということはどういうことかについての変遷がある。 私の学生時代は、圧倒的に学校の成績が、頭のよさの指標だった。しかも、その成績は、試験における総合得点と順位だった。だ
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第5回2015/9/25 この回で描かれている宗助の休日の行動は、当時としては相当に新しいものだったのかもしれない。 本屋を覗き、時計店に入り、西洋小間物などを物色しているが、どれも買わずにブラブラと歩いている。最後に安価なおもちゃを
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第173回2015/9/25 広岡は、聞かれていることに答えていない、と思っていたらその通りだった。 真田が聞きたいことは、なぜボクシングをやろうと思ったかの理由だ。広岡が言いづらかったのはまさにそのことだった。 前回の私の文で
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第4回2015/9/24 明治時代の休日の宗助の感覚は、私の昭和時代の感覚に極めて近い。彼の生活はこれほどの余裕にする誇りを感ずるほどに、日曜以外の出入には、落ち付いていられないものであった。 宗助は、今でいう公務員であるらしい。大き
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第172回2015/9/24「どうしてボクシングをやろうと思ったんですか」 喧嘩を売った相手にあまりにも見事に殴られたから、とは言いづらいだろう。でも、話の流れで、そのことも正直に言うかもしれない。  ところで、最近の日本でのボ
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第3回2015/9/22 その人についてのデータが細かく書かれているからといって、その人物像が伝わるものではない。「厭?」と女学生流に念を押した御米が、 この回の御米と小六の会話には、声の調子と動作とどこを見ながら話しているかが描かれ
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第171回2015/9/22 登場人物の中で特に気になっていた人が、ついに現れた。挿絵の中から、微かな笑みを浮かべている。深追いするな。他人を深追いしていいのはリングの上だけだ。本は頭、映画は心 こう語ったという真拳ジムの会長だ
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第2回2015/9/22 一言二言の会話から夫婦の関係が伝わってくる気がする。 住んでいる家についての描写から、宗助夫婦が置かれている状況を察することができる。 経済的に豊かでないだけでなく、宗助は今の職業や彼を取り巻く人々に満足して
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第170回2015/9/22 経験のないことをするのは、どんなことでも緊張する。初めてやろうとしているそのことはもちろんだが、やるまでの手順とそのために会わねばならない人との話など、そのどれもで、予想外のことにぶつかる。 そこに
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第1回2015/9/21 同じ二人でも、恋人同士と夫婦の会話ではどこか違う。 どこが違うのか。そして、それはなぜなのか。「おい、好い天気だな」と話し掛けた。細君は、「ええ」といったなりであった。 仲の良い夫婦でも、そうではない夫婦でも
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