本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第136回2015/8/18 「広岡」が、今の日本の様子や習慣に戸惑うこともあるだろう。「藤原」と「佐瀬」に会ったとしても、良いことばかりは聞かされないだろう。 「令子」は「広岡」についてこのようなことを考えていたのだろう。彼女…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第135回2015/8/16  歩くのが好き、まるで恋人とのデートのように「広岡」を映画に誘う、「佳菜子」は妙な女性だ。今までも不動産の斡旋とは言い難いほど「広岡」の世話を焼いている。なによりも不思議なのは、年齢が離れ、しかも40
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第134回2015/8/15 最近は、老人ホームという呼び方はあまり使われない。介護施設、老人向けマンション、あるいは、トクヨウ(特養)、ロウケン(老健)などと細分化され、おまけに略称のまま使われている。だが、名称に惑わされては
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第95回2015/8/14 「三千代」との関係は、本心を打ち明け、彼女の覚悟も聞いた。「父」との関係も結着が付く見込みが立った。 残るは、食うための金をどうやって得るかである。 単純なようで、永遠の課題だと思う。 根本的な問いにま
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第133回2015/8/14 この回では全く触れられていないが、真拳ジムの会長のことが気になる。どうやって、「広岡」が真拳ジムに入ることになったかは、明らかになっていない。だが、当時の「広岡」の境遇を考えたら、彼が相当に扱いの難
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第94回2015/8/13 「代助」の何かが変わってきている。今の所は何事も起きてはいない。だが、彼の決然とした様子が伝わって来る。 今までの「代助」について考えてみると、精神と行動を二元的に捉えることが無意味に思える。 表面では
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第132回2015/8/13 読書と映画を見ることを勧める言葉は多い。本は頭、映画は心 このフレーズは初めて聞いた。「会長の口癖だった。」と書かれているが、作者の言葉じゃないかと疑う。 私も『シェーン』を映画館で見たことを思いだ
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第93回2015/8/12 友人の妻に恋することはまずい。それを相手の女性に告げたり、世間に公表するのはもっとすべきではない。 本心はどうであろうと、父の言う通りにしていれば、今後の生活に苦労することはない。結婚も形式的なものだと
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第131回2015/8/12 40年間の空白があると、日本国内を移動していてもまるで外国に来たような気分になることがあるのだろう。 「広岡」にとって、渋谷のスクランブル交差点は、自分の知らない日本を感じさせられたのだろう。 それに
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第92回2015/8/11 恋する男女の会話がここにあると感じた。 「告白する。」「サプライズで結婚を申し込む。」などの場面に、恋愛を感じることが難しい。それは、私が古い人間だからだ。 それにしても、平成時代の恋人同士よりも明治時
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第130回2015/8/11  作者は、今までも何回か「広岡」の視点を通して、今の日本の独自な文化を取り上げている。これが、私にはおもしろい。 今回取り上げられている事も大変に興味深かった。また、指摘されてみるとなるほどと思わせ
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第91回2015/8/10貴方が僕に復讐している間は 漱石が「復讐」と使うからには、この語の意味に符合する事があったのだろう。 私は次のように考えてみた。 「三千代の兄」が生きていた頃は、「代助」と「三千代」は互いに好意を持ってい
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第129回2015/8/10 二人と会った後の「広岡」は、どんな気持ちなのだろう。 二人ともそれぞれに安定した暮らしをしていれば、彼はホッとしただろう。そして、昔の思い出を語り合って時間を過ごしただろう。 だが、二人の現実は逆だ
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第128回2015/8/9 私が、70歳代に入るのはもう直ぐだ。経過はよいが、癌の手術も受けた。老化の実感は確実だし、自分の最期を今までになく感じる。 私たちの世代は、今までの同じ年代の人々と比べるとずいぶんと若々しく元気だと言わ
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第127回2015/8/8 将来への夢を持ちなさい。 夢の実現へ向けて努力することに最高の価値がある。 こういう言葉は空々しく聞こえることが多い。 元ボクサーの二人、二人ともチャンピオンになれなかった。一人は、現役引退後に自分の
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