本屋のとなりは写真館

新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 の感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第220回2015/11/13あの家を見てまわりながら、かつてロサンゼルスで小さなホテルの再生を企てていたときに似た興奮が、体の奥底から静かに湧き上がってくるのを覚えていたからだ。 老人には、老人の楽しみがあるはずだ。引退した人に…
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第35回2015/11/13 やはり何かが、家の方へ転がり落ちたようだ。人かもしれない。夜中に家に忍び込もうとした人がいたとしたら、相当に怪しい。 夜明けの様子が細密に描かれている。眠れぬ夜を過ごした人の感じ方だと思う。
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第219回2015/11/12広岡は、ひとりだけ残ってしまったことに気がついたときの、その男の悲しさを思った。 事件の犯人の気持ちを、このように思う人は、めったにいない。 この家にいた婿養子の立場と、広岡の過去の立場と重なるところ
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第34回2015/11/12 ランプの明るさを頼りに家中を見て回る御米の様子と気持ちが、見事に伝わってくる。 これは、何かあったに違いない。
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第33回2015/11/11 本多夫婦の生活は、老夫婦だけで子どもとは同居していない。現代では、多くある家族構成だ。静かで落ち着いた暮らしぶりだが、活気はない。 坂井の家は、夫婦と息子夫婦とその子の三世代の家族で、収入も多く、大変に賑や
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第218回2015/11/11自分なら安心?それがどういう意味なのかわからなかったが、ことさら訊ね返すようなことはしなかった。 家の方が、住む人を選ぶという意味にとれる。人が、住むのにふさわしい家を選ぶという見方に間違いはない。 
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第32回2015/11/10ただ地味な生活をしなれた結果として、足らぬ家計を足ると諦めている癖がついているので 靴もコートも新しくしなければならないほど使い込んでいる。だが、我慢をすれば、まだ使えることは使える。 現代の感覚でいえば、穴
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第217回2015/11/10洗濯機とリネン類の置き場にはアイロン掛けができそうなほどの空間がある。 人目を引く外観や広い居間や客室がなくても、毎日の生活には困らない。だが、洗濯物を干し、それを整理できるような空間がなくては毎日の
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第31回2015/11/6 御米は、宗助より金銭感覚がしっかりしている。収入は宗助だが、それをやりくりしているのは、専ら御米のようだ。宗助には、やりくりの工夫をすることや給料以外に収入を増やそうとする才覚が乏しい。 その点、御米は違うよ
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第30回2015/11/5この侘しい空の下へ濡れに出る宗助に取って、力になるものは、暖かい味の味噌汁と暖かい飯より外になかった。 寄り添って生活している夫婦だからこその感覚だ。恋人同士の男女とは違う。こういう生活感は、恋愛結婚か、親が決
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第216回2015/11/8雨に濡れないようにという配慮のようだったが、広岡は車を降りると、雨の降る道路に立って、あらためて家を見上げた。 佳菜子の配慮が伝わる。こういう配慮ができることを大切にしたい。 一方、その配慮を感じなが
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第215回2015/11/7「どう言ったらいいのか、ポルターガイスト的なものと違って、なんとなくそこに淀むように存在しているものがあるような気がしたんです。人でも、動物でも、物でもない、何かが……」 ホラー映画では、突然、人か動
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第214回2015/11/6ポルターガイストとは家にまつわる怪異現象をさす言葉で、どうやらヨーロッパが発祥の地であるらしい。 広岡は、借りようとする家の値段や間取りを気にする様子はない。気にするどころか、家の大きさや設備などにつ
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第213回2015/11/5「しかし、離婚が三回くらいならアメリカには、それこそゴロゴロいるけどな」 日本でも急激に増えている。日本の弁護士で離婚が三回ということは、離婚にまつわる手続きや金銭上の問題をうまく回避してきたのかなあ
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第29回2015/11/4御米の頭の中には、夫婦にならない前の、宗助と自分の姿が綺麗に浮かんだ。 恋愛結婚の場合、結婚前後の二人の関係は変わる。これは、恋愛結婚に限らない。しかし、恋愛結婚以外では、結婚前に二人が過ごす時間が短いので、そ
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