本屋のとなりは写真館

新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 の感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第173回2015/9/25 広岡は、聞かれていることに答えていない、と思っていたらその通りだった。 真田が聞きたいことは、なぜボクシングをやろうと思ったかの理由だ。広岡が言いづらかったのはまさにそのことだった。 前回の私の文で…
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第4回2015/9/24 明治時代の休日の宗助の感覚は、私の昭和時代の感覚に極めて近い。彼の生活はこれほどの余裕にする誇りを感ずるほどに、日曜以外の出入には、落ち付いていられないものであった。 宗助は、今でいう公務員であるらしい。大き
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第172回2015/9/24「どうしてボクシングをやろうと思ったんですか」 喧嘩を売った相手にあまりにも見事に殴られたから、とは言いづらいだろう。でも、話の流れで、そのことも正直に言うかもしれない。  ところで、最近の日本でのボ
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第3回2015/9/22 その人についてのデータが細かく書かれているからといって、その人物像が伝わるものではない。「厭?」と女学生流に念を押した御米が、 この回の御米と小六の会話には、声の調子と動作とどこを見ながら話しているかが描かれ
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第171回2015/9/22 登場人物の中で特に気になっていた人が、ついに現れた。挿絵の中から、微かな笑みを浮かべている。深追いするな。他人を深追いしていいのはリングの上だけだ。本は頭、映画は心 こう語ったという真拳ジムの会長だ
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第2回2015/9/22 一言二言の会話から夫婦の関係が伝わってくる気がする。 住んでいる家についての描写から、宗助夫婦が置かれている状況を察することができる。 経済的に豊かでないだけでなく、宗助は今の職業や彼を取り巻く人々に満足して
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第170回2015/9/22 経験のないことをするのは、どんなことでも緊張する。初めてやろうとしているそのことはもちろんだが、やるまでの手順とそのために会わねばならない人との話など、そのどれもで、予想外のことにぶつかる。 そこに
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朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第1回2015/9/21 同じ二人でも、恋人同士と夫婦の会話ではどこか違う。 どこが違うのか。そして、それはなぜなのか。「おい、好い天気だな」と話し掛けた。細君は、「ええ」といったなりであった。 仲の良い夫婦でも、そうではない夫婦でも
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第169回2015/9/21 ボクシングに近づいていくストーリーがおもしろい。今までで一番展開に引きつけられる。 窓の外からのぞき込んでいた広岡は、そのボクサーの動きから眼を離せなくなった。 そして、思った。美しいな、と。 ボク
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第168回2015/9/20 野球ができなくなったが、ボクシングならできるかもしれない。プロボクサーになれれば、それで食っていけるかもしれない。日本チャンピオンになれれば、金も相当稼げるかもしれない。世界チャンピオンになれれば、
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第167回2015/9/19「星」の部屋を出て、ウィスキーの酔いを醒ますために歩き始める。40年前にもこの辺を歩いたことを思い出す。40年前の出来事を次々に思い出す。 前回から回想の場面になっている。夜、広岡は水道橋に行き、最も安い
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いつの間にこんなに伸びたのだろう。ナスタチウムは、去年から庭に植えてみた。性質が分からないので、どのくらい大きくなるかもつかめない。去年は鉢植えがつるをどんどん伸ばすので、垂れ下がるようにした方がよいのかと思ったが、そうでもないらしい。今年は、地面に植え
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第166回2015/9/18 肩を壊していたのに、ボクシング選手として活躍したことに疑問をもたなかったが、そういうことだったのか。 スポーツの種目によって使う筋肉に違いがあるということは聞いていた。それにしても「広岡」がボクシン
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第165回2015/9/17 「星」は、一緒に住もうという話には乗らなかった。「佐瀬」と「藤原」も「広岡」の所へ進んで来る気配は感じられない。 ジム仲間の3人は、「広岡」がいくら金持ちになっても、その金を当てにして世話になろうとい
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第164回2015/9/16 昔の仲間が困っていて、助けてほしいと思っている。だが、その気持ちを素直に言葉にすることができない。こちらは、相手のその気持ちが分かってしまう。そんな時どうするか。「広岡」のように、相手の気持ちの中ま
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