本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第122回2015/8/3 家族と一緒に住んでいるとしても、現代では親子だけがほとんどだ。これだけ高齢化が進むと、夫婦だけと、子も高齢になっている親子だけの家族の方が多くなりそうだ。 三世代が同居していた時代の家族とは同じように…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第121回2015/8/2 身近にいて支えてくれる家族はいなかった。銭湯に行く金にも困っていた。住んでいる所はジムの2階の狭い部屋で仲間と共同生活だった。一日は練習とアルバイトでつぶれ、遊ぶ時間なぞなかった。 あったのは、チャン
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第120回2015/8/1 挿絵を見て、20、30歳代の男は、「佐瀬」の体型に違和感や滑稽を感じるだろう。40、50歳代の男は、自分と「佐瀬」の体型を比較して、これほどはひどくないと思うだろう。60歳代の男は、「広岡」の体型に不自然さを感
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第85回2015/7/31 「代助」らしくない「代助」がいる。 平生の彼なら、縁談が本人に関係なく進むことを、予測するだろう。 兄嫁に向かって言い切った彼の言葉は、内容もタイミングも相手も全てふさわしくなかっと、と感じた。
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第119回2015/7/31 年を取ると、新しいことに付いて行けず、過去の習慣から抜け出した思考ができなくなると言われる。物忘れが多くなり、五感が衰えるとも言われる。 そのどれもが私にも当てはまる。 しかし、老化が一番はっきりと
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第84回2015/7/30 父に会えずに、兄嫁に縁談を断った。父の都合が悪かったことが、今後の成り行きに影響するような気がする。 そして、兄嫁の話から、本人に知らされずにこの縁談が進んでいることも分かった。当時としては、これは不自
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第118回2015/7/30 突然、昔の仲間が40年ぶりに訪ねてきた。自分は他人には見せたくないような惨めな暮らしをしている。しかも訪ねてきた旧友の方は、景気がいいようなのだ。 この状況なら、訪問を受けた方は、気まずくていたたまら
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第83回2015/7/29 「決心」を行動に移した「代助」は、実家でなんだか肩透かしを食っているようだ。 普段は、父や兄嫁が真剣になって言って来ることを、「代助」がのらりくらりとやり過ごしている。その彼が今日は兄嫁ののんびりさに苛
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第117回2015/7/29   縮こまっていた心が、解けていく瞬間が描かれていた。「俺は、何ももてなすことができない。おまえをここに泊めたいが泊められない。まともな布団の一組もない……」 「佐瀬」は生活に困っていることを愚痴って
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第82回2015/7/28 散々考えた末に結論を出したのかと読んでいたが、違っていた。「代助」は、行動すべき結論をまだ出せずにいた。 前回まででは、「代助」は結婚が「三千代」との仲を「遮断」すると考えていたが、それは違うと考え始め
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第116回2015/7/28 前回を読んで、読者として感じていたことを、主人公自身が考えているようだ。死んでいないだけではないか。佐瀬のその問いは広岡自身にも突き刺さってくるものだった。 それほど、この二人の境遇は共通している。
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第81回2015/7/27 「代助」が散々考え抜いた末に、ある結論を出した。 それは、父や兄嫁から勧められている結婚を承諾することだった。この結婚をすれば、「三千代」との仲は今以上に深まらなくなる。そして、今まで通り父からの援助を
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第115回2015/7/27 「広岡」と「佐瀬」は、二人とも若い頃の夢を実現できず、負け犬の気分を味わってきた。しかも、何度も敗者の立場に追い込まれた。そして、二人とも家族や周囲の人から孤立した生活を送っている。 違いと言えば、
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第114回2015/7/26 「広岡」は、4人のボクサー仲間のリーダー格だったように感じる。 「藤原」は、「広岡」だったらこうしただろうと思って行動した、と話していた。 「佐瀬」は、「いつもおまえ(広岡)の言葉を思いだしていた。」
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第113回2015/7/25頭がはっきりしたまま八十五まで生きることができれば、そして、そこで死ぬことができれば、幸せな一生と言えるかもしれない……。 どの学問分野も、高齢化した人間社会と個人を研究対象にし始めているのだろう。し
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