本屋のとなりは写真館

新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 の感想と、読んだ本の感想を更新しています。

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第103回2015/7/15停車している車両はどれもカラフルだった。 国鉄の時代を知っているだけに、最近の列車のカラフルなのには驚かされることがある。鉄道が物流の大動脈と呼ばれて、石炭や木材、そして溢れる人々を運んでいた時代があ…
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第72回2015/7/14梅子は佐川の令嬢を大変に大人しそうないい子だと賞めた。 実際に会って、父と兄と兄嫁と「代助」がこの令嬢を観察した。そして、上のような人物評にまとまった。「代助」もこの意見に同意した。欠点はないが、特段の長
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第102回2015/7/14そして、うんざりしたように続けた。 今から50年以上前の駅のプラットホームは、通勤時間でない限りはガランとした所だった。特に乗降客の少ない駅で、列車が出た後はすぐに誰もいなくなった。 そして、そこは挿絵
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『母 -オモニ-』姜尚中澱みのない、張りのある大きな声は、日の当たる「成功者」としてのテソンの勢いを表しているようだった。 「姜尚中」の叔父「テソン」が登場した。 頭の良い人で、太平洋戦争前は日本軍の憲兵となった。当時の憲兵という地位は、朝鮮から日本に来
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第101回2015/7/12荒んだ心を持て余す 生きていれば、上のような気持ちになることはある。こういう場合にどうするかは人によって違う。酒で紛らす、犯罪を犯してしまう、弱い者をいじめる、猛烈に何かに打ち込む、など様々だ。 そし
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第71回2015/7/10 「令嬢」は、美しく慎み深い物腰の人だった。一方、彼女の会話からは、「代助」の興味を引きそうなことは全く出て来なかった。 外見は美しいが、内面は目につくようなことのない若い女性として描かれていた。 「代助
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第100回2015/7/11 野球選手を諦めるしかなかった「広岡」の事情が明らかになった。 ボクサーを諦めた事情と共通するものがあるように思う。 スポーツの世界で栄冠を手に入れるためには、実力だけではだめだと言うことか。実力にプ
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第99回2015/7/10 「広岡」は、40年ぶりの日本なのに、実家や故郷を訪ねないどころか懐かしむことさえなかった。その理由が分かってきた。 野球選手として、プロのボクサーとして、夢が叶わなかった「広岡」だったが、不運はそれだけ
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NHK総合TV『まれ』2015/7/9放送 「まれ」の父親役の大泉洋に感心した。真っ青なパンツに紅白の縞模様のシャツ。今時漫才コンビの衣装でも使いそうにない。それが、似合っている。ダサさとフィット感、そして衣装が語るキャラクター。大泉洋にしか似合いそうもなかった
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第70回2015/7/9 ついに「佐川の令嬢」と会わなければならなくなった。 この令嬢の容姿が描写されている。代助はその時、女の腰から下の比較的に細く長いことを発見した。 スッキリとしたスタイルで、脚が綺麗だということか。令嬢は
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第98回2015/7/9 勝負事には勝ちと負けがある。勝ちと負けしかない。 アメリカで、世界チャンピオンへ近づいていたが、突然の病のせいでボクシングを諦めた。 日本チャンピオンを目前にして、理不尽な判定のために、敗者となった。
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第69回2015/7/8 その業界にしか通じない言葉遣いがある。今は、若い世代だけの言葉遣いもある。 家族の会話の雰囲気も、家族毎に違いがあるようだ。時代と階層が違うと言いながら、「代助」と兄の会話は悠長なものだ。 現代の庶民の
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第97回2015/7/8 挿絵画家中田春彌は、事前に1回ずつの小説を読んで、挿絵を構想するのだろうか。それとも、作品の最後まで読み終わって、1回ごとに配置を考えるのだろうか。どちらにしても、1枚を仕上げるまでにそれほど余裕はな
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朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第68回2015/7/7その時三千代は長い睫毛を二、三度打ち合わせた。 睫毛がはっきりと見えるほど二人の間隔は狭かったということだ。 「代助」は、「三千代」と別れてからいつになく高揚している。「三千代」のためにやれることをやった
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第96回2015/7/7 これはいくら何でもやり過ぎだろう。若い女性の親切心だからと、大目に見たい所だが、「佳菜子」の押しかけは普通ではない。 子猫の描写が滑らかだ。ただし、「広岡」がこんな事を続けていると、今の日本ではご近所
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