本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

2015年06月

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第88回2015/6/29空車になったタクシーの運転手が乗っていかないのかというように広岡の方を見た。 これの前後の文章から、私が乗ったタクシーでの会話を思い出した。その車内に「スマホのアプリで○○タクシーを呼べます。」とあった…
>>続きを読む

NHK FM ウィークエンドサンシャイン 2015/5/30放送  「ジャリミリ」 ジェフリ・グルムル・ユヌピング 歌詞は、オーストラリアの先住民族アボリジニの言葉なのだそうで、全く分からない。一部が英語の曲も紹介されていたが、歌詞の意味は分からなくてもよいと感じた。 聴…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第87回2015/6/28あまり順調な人生を送っていないのではないかと思っていたが  「広岡」と「藤原」は、「順調な人生」どころか、「夢破れた人生」「家族もなく、住む所さえ安定しない人生」を送って来た。 では、「順調な人生」とは…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第86回2015/6/27 挿絵で「広岡」の顔が正面から描かれている。「藤原」の言葉をなるほどと思わせる絵だ。 小説の挿絵には、読者の想像を助けて膨らませる役目と、同時に邪魔しない役目もあって、難しいものだろう。ここは、描かれて…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第85回2015/6/26 話す内に、「広岡」と「藤原」の別々に過ごした時間が浮かび上がって来た。そして、ボクサー仲間の新たな名前も出て来た。 「広岡」の心残りは、他の2人を含めたボクサー時代の仲間に関わることのようだ。   刑…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第61回2015/6/26 「代助」は、一族の資産で生きている人だ。今回で、その一族の事業に何かが起こったのではないかと思わせられる。青山の家へ着く時分には、起きた頃とは違って、気色がよほど晴々して来た。 のんきな雰囲気が出ている…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第84回2015/6/25「アリは世界最高のスポーツマンだった。いま、アリは体が不自由になっている。でも、逃げも隠れもしないで、その体をさらしながら生きている。」 成果をあげたアスリートを最高のスポーツマンだと私は思ってしまう。…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第60回2015/6/25縁側から外を窺うと、綺麗な空が、高い色を失いかけて、隣の梧桐の一際濃く見える上に、薄い月が出ていた。 すごい文章力だ。視線の移動(「縁側から」)を示し、簡潔な形容(「綺麗な空」)を効かせ、独特な描写(「高…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第83回2015/6/24 「藤原」は、ボクサー(アリ)のことを貶められて黙っていられなかった。静かに誤解を諭しているのに、年長者をバカにした態度に腹を据えかねた。だが、冷静さは失っていなかったので、自分から先に手を出すことはし…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第59回2015/6/24 漱石の学識からいうと、翻訳された書物には「寺尾」がやろうとしているようなやっつけ仕事があるのだろう。寺尾は、誤訳よりも生活費の方が大事件である如くに天から極めていた。代助は現今の文学者の公にする創作のう…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第58回2015/6/23 この回の「代助」の結論を読んでも感心するようなところは、私にはない。結論そのものよりは、そこに至までの過程がおおげさでおもしろくないと感じるのだ。 これは、文章表現の時代性に影響されていると思う。私にと…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第57回2015/6/22けれども、顧みて自分を見ると、自分は人間中で、尤も歯痒がらせるように拵えられていた。 私にとって、「代助」はまさにこの通りだと思ってしまう。豊かな才能があり、富裕な家に生まれて30歳にして働きもせずに一軒家…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第81回2015/6/22 ボクサーとしての希望が叶わなかった「広岡」だが、今はアメリカの実業の世界でそれなりの地位にいる。現に日本に帰ってきても生活に困る様子はない。更に、ボクサーを諦めた理由は病気によるものだ。普通なら刑務所…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第80回2015/6/21「広岡」は、「藤原」を世界チャンピオンになれるボクサーであったと、今でも思っている。「藤原」は、ジムの会長が一番世界チャンピオンに近いのは「広岡」であると思い続けていたことを、話した。 互いに、なぜそう…
>>続きを読む