本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

2016年08月

朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第494回2016/8/20 それは、月の光を浴びながら、まるでボクシングによって語り合うかのように、長く長く続けられた‥‥。 美しい場面だ。 これ以上のことがあるだろうか。 二人は、世界チャンピオンになることよりも価値のある時…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第493回2016/8/19 広岡が元気なうちに世界チャンピオンになろうとしている翔吾の気持ちは、よくわかる。 広岡は、真拳ジムから世界チャンピオンを出すことを、自分がすべきこととしていた。それは、亡くなった真田会長が望んでいた…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第492回2016/8/18「いまになって訊いても遅いけど」 本当にそう思ったらこうは言わない。今になってはどうすることもできないが、訊いておきたいのだろう。 広岡は、日本に戻って来て思いもかけない多くのことをやり、仲間からも若…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第491回2016/8/17「中止にしてもいいのよ」 令子のこの言葉が、冷静に翔吾のことを考えている結論だ。 以前の藤原、佐瀬、星の間で交わされた議論「見えなくなった眼で生きていかなければならないんだぞ」にも結論は出ていない。 …
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第490回2016/8/16 令子がなぜ真拳ジムを引き継いだのか、ずうっと疑問だった。やっと、その理由がわかった。「(略)やっているうちに、もしかしたらこれこそ自分のやるべき仕事だったかもしれないと思うようになってね。(略)」 …
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第489回2016/8/15 広岡は、今でも令子を他の誰よりも頼りにしている。 彼女の息子に依頼をするにしても、令子のいない場所で話をすることはできたはずだ。令子がいる場所で、いわば遺書の依頼をしているということは、弁護士の公平…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第488回2016/8/14 死後自分の持ち物を、他を煩わせることなくスッキリと無くしたいと思う。 もちろん、現実では広岡のようにはいかない。だいたいが、財産と呼べるようなものには縁がない。 だが、参考になることは多い。 ○自分…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第487回2016/8/13 不意に広岡が右のパンチを放ち、翔吾が左で迎え打つ‥‥。 老人が屈強な若者にいきなりパンチを放つ。「不意に」とあるから、面と向かい合っている時でなくても、二人が近づいた時にいつでもあるということだろう…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第486回2016/8/12 両手が利き手として使えるボクサーなんて聞いたことがない。 でも、プロ野球の世界では、投打の二刀流、また大リーグデビューが遅いのに3000本安打など不可能とされていたことが達成できている。 両手とも速くて…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第485回2016/8/11 クロス・カウンターは、広岡が教える。だが、「大塚のスピードとテクニック」をどうやって身に付けさせるのだろう。それも、広岡が教えるのだろうか? それとも、何か秘策があるのだろうか? 世界戦の前にスパー…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第484回2016//10 広岡以外の三人がまず動いたので、今回のやりとりが成り立った。そして、それによって、佳菜子に笑いが戻ったし、翔吾を治せなかったことも深刻なものにならなかった。 広岡のキャラクターに魅せられてきたが、今回…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第483回2016/8/9 佳菜子は、今までの人生では打ち明けることのできなかった思いを吐き出すことができた。  広岡が、自分を生んで亡くなった母に対する思いを真田会長に話した場面を思い出す。 いつもの四人の様子と違う動きが感じ…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第482回2016/8/8 治っていなかった。 これで、かえってほっとした。 もしも、治っていて、佳菜子に不思議な治癒能力があるということになったら、その後の問題が大き過ぎる。 佳菜子は、特別な能力がもつわけでも、奇跡を起こす力…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第481回2016/8/7 翔吾が試合の後で手術を受けることについての三人の議論に、結論は出なかったようだ。  藤原、星、佐瀬は、佳菜子に治癒能力があるという話を聞かされても、それを信じてはいなかった。だから、翔吾への佳菜子の治…
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朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第480回2016/8/6 今回は、特におもしろかった。 三人の議論は、私が予想したような浅いものではなかった。(略)‥‥それは長生きをした老人の意見だ‥‥そうだ、早死にできればそれにこしたことはないが、眼が見えなくなっただけで…
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