本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

2016年09月

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第15回2016/9/16 母親の感覚は、「病的な」ほど個性的だ。だが、理有は「こんな気持ちの悪いぬいぐるみ」と思っていながら、ベスティのぬいぐるみに引きつけられてこの喫茶店に入っている。 理有がボブだけを続ける感覚と、母…
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朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第14回2016/9/15 理有の母のことが少し分かる。 母は、何度もヨーロッパへ行っている。コレクションにするためにドイツからベスティを買ってくるのだから、観光だけで行っているのであるまい。 喫茶店の店員の若者が興味深い…
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朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第13回2016/9/14 美容室の広岡さんは、シニカルなものの見方と髪のカットだけにこだわっている。その広岡さんが、一人の客でしかない理有の髪をカットすることに、強い思い入れを持っている。理有の髪や顔立ちがその思い入れの…
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朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第12回2016/9/13(略)あの支離滅裂な世界で、私は国籍を捨ててどうにか生きていけないか(略) 理有の考えが表れている。 これは、この小説の主人公だけのものではない。前の連載の『春に散る』沢木耕太郎作では、いわば国籍…
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朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第11回2016/9/11 挿絵を毎回楽しみにしている。今回は特に印象に残った。 広岡さんのシニカルさを認める理有もシニカルな面をもつのであろう。自分の顔を「人の記憶に残らない顔」と自覚しながら、同じ髪型を続けるのはシニカ…
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朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第10回2016/9/10 理有は感情を見せない。この年齢で自分の髪型にこだわりのない人は珍しい。それに、美容室で女性が髪をカットしてもらうことを「散髪」というのだろうか。美容師とのやり取りは、まるで中年の男性のようだ。 …
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 杏は、16歳高校生。一人で暮している。同じ高校の晴臣が恋人。晴臣の母は、有名女優らしい。晴臣もマンションで一人暮らしをしているらしい。 ある夜、杏は晴臣の浮気の現場を知り、彼を携帯で殴り、警察に通報され補導された。晴臣の母のマネジャーの計らいで警察から返…
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朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第9回2016/9/9 杏は理有の言うことは、すべて正しいとしている。でも、理有が言う正しいことの中で実行に移すものと移さないものがあるとしている。理有ちゃんは私よりも私にとって正しいことを知っているから、きっと私には自…
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朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第8回2016/9/8 杏の言葉と行動については特に不思議さはない。こういう境遇にあれば、こうなるだろうと思える。でも、杏の理有への態度は不思議だ。どんなに仲のよい姉妹であっても、都合の悪いことを全部は話さないだろう。と…
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朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第7回2016/9/7 一人暮らしだった杏の生活ぶりがうかがえる。 沢木耕太郎の『春に散る』では、共同生活を始める前の星や佐瀬の様子から、一人暮らしの老人の生活ぶりが描かれていた。十六歳の少女の場合も、老人男性の場合も、…
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朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第6回2016/9/6理有ちゃんの声がパソコンや携帯越しではなく、生で聞こえる事に、震えるほど感激しているのに気付く。 パソコンや携帯越しのやり取りがほとんどだから、こう感じるのだろう。 「生で聞こえる事に、震えるほど感…
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朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第5回2016/9/5 携帯で殴りかかった(1回)ので、驚いた。携帯が壊れてしまったらどうすのだろうと思っていた。最近のスマホはそうは簡単に壊れはしないのだ。 晴臣の本音、本音と言うべきか、ともかくもいちばん伝えたいこと…
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朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第4回2016/9/4 送られてきた画像だけで、いきなり殴りかかるとは、と疑問だった。深夜に渋谷のホテル街周辺を女の子と歩いておいて これなら無理ない。それに、晴臣のこういうことは前にもあったらしい。今回はスマホでの画像…
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朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第3回2016/9/3涙が零れて、足の付け根が震えた。殺してやる!怒鳴り声をあげると、私は泣きながら拳を振り下ろした。(1回)すれ違いざまに膝の裏を蹴りつけると(2回)怒りが収まらずもう一度晴臣の背中に拳をぶつける。(3回…
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朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第2回2016/9/2 「僕の恋人」という文なら、「僕」は男で「恋人」は女、というのは、昭和までかな、と思っていた。それで、次の言葉が誰のものであるかわからなかった。僕たちにはよくある事っていうか。(第1回) 「僕」は、…
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