本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

2016年11月

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第88回2016/11/30 他人について、好き勝手にものを言えるのは、小説やドラマの登場人物についてだけだ。 私は、母であり作家であったユリカのことを、高橋の話から、他の人と協調しようという気持ちのない人と表現した。 理…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第87回2016/11/29 母であり作家であったユリカは、自己を優先し、独善的に行動する人だったと感じる。夫に対しても、不倫相手に対しても、相手の気持ちを考慮して、自己を抑制することはなかったのだろう。 高橋の話からその…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第86回2016/11/28 高橋という人のことも、ユリカのことも少しずつわかってきた。 冠婚葬祭的なものに意味を見出さないというのは、共感できる。だが、それを考えるだけでなく、実行してはばからないというのは、なかなかでき…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第85回2016/11/27 いろいろなことが中途半端になっていて、なんとなくスッキリしない。読んでいて、イライラしてきそうだ。  美容師の広岡と理有の間に何かがあったのか、なかったのか。 理有は、光也が母の読者であったこ…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第84回2016/11/26 理有の視点から、母の死とその後の姉妹の生活について語られている。 表面は冷静に振舞っている祖父が、娘(姉妹の母)と杏の「非常識なところ、空気を読めないところ」を評価していると書かれている。それ…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第83回2016/11/25  杏は、三日間行方をくらましているようだ。パリの父に連絡を取ってもいないだろう。 理有本人から彼女の内面が語られている。足を踏み出し続けていないと、その場で静止した私が端々から粒になってばらば…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第82回2016/11/24追加 晴臣は、どうしようもないやつだ。 でも、晴臣が杏と結婚したいと言っていた気持ちに嘘はない。晴臣にとって、杏は次々に替わる遊び相手の一人などではない。杏を誰よりも大切な人であると思っているこ…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第82回2016/11/24 前の浮気のときには、また繰り返すだろうともうしないと言う言葉を信じたい、という葛藤が、杏にあった。そして、晴臣を信じたいと思う自分を嫌悪しながらも、杏は晴臣を許した。 今は杏に迷いはない。「別…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第81回2016/11/23 杏の暴力は、晴臣に向かった。怒りの対象は、もっぱら晴臣だった。(1回) 今は、ベッドにいた女に向かっている。(81回)人の男を取る女は、何もかも器用にできる。ああいう女に生まれて、世の中ちょろいな…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第80回2016/11/22 晴臣の行動は予想できた。 杏もそれは分かっていたはずだ。予想できなかったのは、理有の変化だった。理有が今まで通りの彼女だったら、杏は、姉のもとへ戻っただろう。 杏は、「晴臣がいれば、私は理有ち…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第79回2016/11/21 PCに何かを見つけるかと思ったが、そうではなかった。 電車の中での杏の回想から、両親の離婚の前から、杏の理有への依存が始まっていたらしいことが伝わる。そうだとすると、この姉妹の特異な関係は母と姉…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第78回2016/11/20 もうこのマンションには帰って来ないというほどの覚悟をしているのではなさそうだ。だが、しばらくの間は戻って来ないつもりなのだろう。杏が理有との生活を、初めて拒否している。 理有に何かがあったのは…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第77回2016/11/19 つかみどころのなかった杏のことが、この回の表現ではよく分かるようになった。秘密を共有しているのも理有ちゃんだけで、ママを失った悲しみも、ママを失った解放感も、解放感への罪悪感も、理有ちゃんも同…
>>続きを読む

 むしろこうならないのが、不自然だ。 理有が杏に優しかったのは、母のためだったと思う。母が亡くなってからは、二人の秘密が姉妹をつないでいたのではないかと思う。 それが、変化したのは、理有に何かがあったのだろう。光也だけの影響ではないような気がする。…
>>続きを読む

 理有の恋人が広岡さんではないかと疑った杏は、晴臣と二人で広岡さんのいる美容室に行ってみた。そこで、杏はパニック発作を起こしたが、広岡さんの冷静な対処のおかげで無事に発作は収まった。晴臣は、それ以来杏のことを心配し、彼女と離れて暮らすことを不安がるように…
>>続きを読む