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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 の感想と、読んだ本の感想を更新しています。

2016年11月

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第62回2016/11/3

 理有も杏も、母の死から一歩も抜け出していないと感じる。

 理有は、光也が母の読者であったことを知った途端に、光也の顔を見ることさえできなくなっている。
 杏は、「夢」という言葉から、ママと姉と自分の三人の暮らしができなくなったことを改めて突き付けられ、精神的な衝撃を受けている。
 杏の体の異変は、精神的なものだけではないだろう。杏が倒れれば、杏と晴臣の関係は分かるだろうし、杏と理有の関係も知られるだろう。

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第61回2016/11/2

 理有ちゃんに恋人ができたかもしれない。その彼は理有ちゃんの行っている美容室の美容師かもしれない。それだけで、初めての美容室に、しかも彼氏も一緒に行くものなのか?
 こんな聞き方をしたら、広岡さんに疑われるんじゃないか?
 もし、姉にこのことがバレたら、理有は怒るんじゃないか?
 ?だらけの感想だ。
 だいたい、杏と晴臣の日常が??
 だからといって、この二人を、どうしようもない若者で、親の金で贅沢のし放題をしているバカな高校生としてしまう気にもなれない。
 杏は、母の自殺をただ見ていたという秘密を抱えている。晴臣については予測でしかないが、今でも死の恐怖を抱いているようだ。
 
 それに、将来に目的を持って学校の勉強に打ち込む若い人が登場するよりも、杏と晴臣に現実を感じてしまう。

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第60回2016/11/1
 
 落とした飴を拾うか捨てるか、などということでは全然なかった。
 このエビソードは何を語っているのか。杏が思うように、理有の視点なのか、私にはわからない。
 ただし、杏が祭りに参加する人で、理有は祭りには参加しない人、というのはわかる気がする。

 広岡さんは、理有の注文通りにいつもボブカットをしていた。だが、彼はそのボブに何回もの変化と工夫を加えていた。
 杏の注文にも、簡単に返事をしている。だが、ただ注文通りにする人ではないと思う。

 60回に、作者によるあらすじが載った。引用する。

 《作家だった母の死に関わったという秘密を抱える杏(あん)と理有(りう)の姉妹。杏は、真面目な姉の理有が美容師と不倫していると疑い始める。仲直りした交際相手の晴臣(はるおみ)と二人で、姉の通う美容室を訪れることにした。》

 
母の自殺の時の姉妹の行為は、「秘密」と表現されている。
 杏と晴臣が美容室に行ったことが取り上げられている。このことから、ストーリーが大きく発展するのか?

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