本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

2016年12月

 理有について  日常生活を維持する能力が高い。 彼女は、飲み終わったマグカップをすぐに洗うとあった。私もやってみたが、意識してやらないとついつい後回しになる。でも、サボらずにやると、それが一番効率的だし、衛生的だ。 彼女は、節電のために、冷蔵庫の温度を…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ最終回2016/12/30 静かで、それでいながら強い理有が戻ってきて安心した。元気で弱虫で、それでいながらしたたかな杏も戻ってきた。 姉妹は、それぞれのやり方で、両親の死を受け容れた。姉妹は、母ユリカの「奴隷」ではなく…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第116回2016/12/29 求めても求めても母の愛を得られない理有の姿が浮かぶ。「理有(りう)はユリカの奴隷で、杏(あん)の保護者だった」これは、理有自身の自己認識だと思う。「ユリカは俺以外の誰ともフェアな関係を築けなか…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第115回2016/12/28 追加 理有が考えていることでよく理解できる部分とまだ理解できない部分があった。理解できる部分をあげる。ママの世界にあったのは、小説が完成していない世界と、小説が完成した世界だ。小説を完成させて…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第115回2016/12/28 私は、次のように思う。 理有がパパとスカイプで話していたことは、理有の幻想だった。 母の死因については、杏の回想が真実に近い。ただし、杏の幻想の部分があるかもしれない。 パパは、亡くなっている…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第114回2016/12/27 今日は、まだ読んでいなかった。114回を読む前に、ブログを開いた。アクセス数が跳ね上がっていた。何か、あったか? 114回を読んだ。驚いた。 とりあえず、パパについて思い出してみよう。四年くらい前か…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第113回2016/12/26こうして理有ちゃんが優しくしてくれるなら、もうママの死因が何であろうと、どうでも良いような気がした。晴臣(はるおみ)は浮気をした、広岡さんには奥さんがいる、ママはいない、私には理有ちゃんしかいな…
>>続きを読む

 母の未完成の遺作を預かっている高橋は、その原稿の中に遺書と思われる文章があると言う。理有は、高橋のその推測を否定し、その文章を読みたいとも言わない。  理有は、連絡のつかない杏のことがいよいよ心配になる。杏のことを心配しながらマンションに戻った理有が、…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第112回2016/12/25 母の死の詳細については、杏の回想でしか描かれていない。 理有から、母の死について詳しく話されたのは、前回(111回)だけだ。 父は、理有とのスカイプで次のように言っていた。「ユリカは病気だった。…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第111回2016/12/24 理有の言うように、母の死が心筋梗塞だったら、杏の記憶改ざんは、異常で病的なものだ。理有は、杏の思考をおかしいと批判はしているが、杏に病的なところがあるとは今まで思っていない。 母の死によって、…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第108・109回2016/12/21・22 追加 なるほどと思った。病気をして人格が変わる人がいるというのも、考えてみれば当然の話だ。体が変わるということは、その人の全てが変わるということに等しい。(108回)  その通りだ。これ…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第109回2016/12/22 今回を読んでホッとした。これが、姉妹の正常な関係だと思う。 理有の言っていることは、一々もっともだ。それに対する杏の感じ方も納得できる。 どちらが正しいかの問題ではなく、姉妹といえどもそれぞれ…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第108回2016/12/21「既婚者じゃなきゃ晴臣くんと違って何の問題もなかったけど、杏(あん)が今してるのは不倫だよ」 これは、どういうことだろう?不倫は、倫理的にしてはいけない行為、というのではないだろう。 広岡の妻を…
>>続きを読む

朝日新聞連載小説『クラウドガール』金原ひとみ第107回2016/12/20 杏は、自分のマンションに戻っただけでなく、理有への反発を弱めているようだ。同時に、広岡さんへの思いがすでに冷めてきているような気配もある。 杏のことを愛しているのは、祖父母であり、理有であり、…
>>続きを読む