本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

2017年06月

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第169回2017/6/23 今日の挿絵が、幸子の内面を見事に表現している。いくら言っても、半二郎は黙して語らずだし、女将の立場では、愚痴を言って回るわけにはいかないだろう。その苛立ちが溜まりに溜まってしまったというとこ…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第168回2017/6/22  幸子の思いは、複雑だ。①代役が喜久雄だと聞かされたときの幸子は、それを信じられず、半二郎に食ってかかろうとした。(140回)②俊介が置手紙を残して消えたときの幸子は、茫然自失となった。そして、…
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朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・内巻敦子画『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第23回2017/6/16 第五話 篠村兄弟の恩寵(おんちょう)①あらすじ 靖(兄)と昭仁(弟)の兄弟は、奈良FCを応援し、いつも試合を観に行っていた。昭仁は、奈良FCの選手の中…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第167回2017/6/21松王丸  ①「源蔵」が匿っている「菅原道真」の若君、「管秀才」の首実検をする立場。②忠義に従えば、かつて仕えていた「菅原道真」の子「管秀才」の命を助けねばならぬ。③「源蔵」が「管秀才」の身代わ…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第166回2017/6/20  今まで一度も物語上では描かれていないが、半二郎は、喜久雄に大きな負い目を感じていることと思う。 そして、喜久雄に負い目を感じている以上に、俊介のことを愛していると思う。 勝手な推測ではある…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第回2017/6/19  この喜久雄は、人気が出てそれがたちまち下火になった頃であろう。半二郎の代役といいながらも、主役の大舞台を踏んだこともあり、人気が下降気味としても注目されている役者だ。その喜久雄がここまで半二郎…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第回2017/6/18  このまま半二郎が治療を受けずにいると、突然の失明もあり得る。もしも、そうなったら以前の交通事故どころの騒ぎではない、花井半二郎一門が危機的な状況になる。 半二郎が「花井白虎」の襲名どころか、舞…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第163回2017/6/17 主人公が急に身近な存在になった。「嘘やろか? 嘘ちゃうよな?」 半二郎の養子になり、三代目半二郎を襲名したい、そうすればもっといい役もつく。 本来なら三代目半二郎を襲名するはずの俊介に帰って…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第162回2017/6/16  描写は深入りしなかったが、どうも次の二つのことが伝わってくる。①喜久雄は、女性に対して自分が男性であるということを誇示しようとしている。少なくとも、赤城洋子に対しては。②喜久雄は、歌舞伎の…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第161回2017/6/15 洋子の前にも、春江と市駒だけではない女性経験をもつと思われる喜久雄だが、こういう迫り方をされるのは初めてだろう。 喜久雄は、十七の時の初舞台で次のように感じている。(略)何よりも舞台に漂って…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第160回2017/6/14 前回に感じた以上に不思議で、そして、これこそが喜久雄の個性だといえることが今回に書かれている。 育ての母のマツがいかに喜久雄へ愛情を注いできたかは、繰り返すまでもない。 喜久雄が半二郎の代役…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第159回2017/6/19 喜久雄が突拍子もない生き方をする主人公であることは、もう十分にわかっていた。それにしても、昭和のこの時代を生きる男しては、いくら人気が出た歌舞伎役者としても、この女性関係には驚かされる。  …
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第158回2017/6/11 喜久雄の個人的な生活の細々したところは、相変わらず徳次が面倒を見ている。今や、人気役者となった喜久雄の表には出したくない部分の尻拭いの全部を徳次がしているようだ。 また、歌舞伎役者としては、…
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朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・内巻敦子画『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第22回2017/6/9 第4話 眼鏡の町の漂着⑥ 第4話 了あらすじ 鯖江アザレアSCと倉敷FCの試合の前半は0-0だったが、終了間際に鯖江が得点し勝った。 誠一が応援していて、香…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第157回2017/6/10 人好きがする、なぜか憎めないという人はいるものである。徳次がそうであろう。けんかっぱやいし、嘘はつくし、騙されるし、信用のできない男だ。だが、なんともおもしろい奴だ。 喜久雄は、常識がないし…
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