本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

2017年08月

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第224回2017/8/18 撮影が終わっても、撮影中の出来事が悪夢となって、喜久雄にまつわりついていたのであろう。そして、連夜の乱痴気騒ぎで、悪夢から逃れようとしていたと思う。 ところが、『太陽のカラヴァッジョ』が受賞…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第223回2017/8/17その一 今回を読む限りは、喜久雄は清田監督の狙い通りに動かされ、否応なしに極限状況の演技を、引き出されたようだ。もし、そうであったなら、喜久雄はその演技を演技として割り切っていないようだ。その…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第222回2017/8/16その一 歌舞伎役者の血筋にない喜久雄が、三代目半二郎を襲名した。 これは、とてつもない幸運だった。 白虎亡き後、喜久雄は歌舞伎の舞台からはじき出された。さらに、莫大な借金を背負った。歌舞伎の舞…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第221回2017/8/15その一 はじめて弱音を吐いた。しかも、他人を責めずに、自身を責めている。その二 予想がことごとく外れる。理由を考えてみた。  216回感想の予想が当たっていれば、物語は、鬼監督風ドラマか、ヤクザ映…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第200回2017/8/14 「明日の撮影予定のシーン」というのは、今の喜久雄の現実と酷似している。もし、今までの撮影で喜久雄の演技がよしとされていたなら、このシーンも役者として演技しただろう。 喜久雄にとって、演技とい…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第219回2017/8/13 216回感想の予想は外れた。喜久雄はああまでされても、感情を爆発させなかった。 監督の中でどのような心変わりがあったのか、ふと奸策(かんさく)をめぐらすように眉を動かした監督、最終的にはこの役を…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第218回2017/8/12 喜久雄は、今まで理不尽に叱られ、いじめられても不平不満を漏らさなかった。不平不満を言わないだけでなく、反省もしなかったし、弱気にもならなかった。 喜久雄もさすがにこの理不尽には体ではなんとか…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第217回2017/8/11 第二章と第三章に出てきた体育教師尾崎と、この清田監督が重なってくる。尾崎は、終始喜久雄に辛く当たった。思い返してみると、尾崎は喜久雄の素質と人柄を見抜いていたから、あのようにしたのだと感じる…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第216回2017/8/10 さすがの喜久雄も、我慢の限界を超えるのではないか。 舞台を離れた日常でも女ぽっいのではないか、と疑われることを喜久雄は極端に嫌っていた。赤城洋子とのやり取りでもそれが出ていた。演技についての…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第215回2017/8/9  喜久雄の心情を次のように想像してみた。 白虎が亡くなってからは、自分の芸は自分で磨かなければならないと思う。その気持ちから、どんな端役であっても、全力で役を勤めた。さらに、舞台裏から大御所の…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第214回2017/8/8 『太陽のカラヴァッジョ』という映画に喜久雄が出演を決めたことが、先ず語られている。この語り振りからは、清田監督から歌舞伎役者の芸を貶されても、喜久雄が映画出演を断念することはないだろう。さらに…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第213回2017/8/7  赤城洋子が死んだと思っていたら、命は助かっていた。 物語が大きく発展する要素が少しずつ姿を現す。前に予想したこと(206回感想) のほんの一部も当たっているかもしれない。①喜久雄に歌舞伎以外の…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第212回2017/8/6 徳次が考えていたことは、喜久雄に映画出演をどうやって納得させるかだった。 今までに何回も喜久雄が映画出演に魅力を感じていないことは出てきていた。しかし、それほど歌舞伎に魅せられているというのは…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第211回2017/8/5 弁天からの電話を切りますと、すぐにでも喜久雄に知らせたい思いを抑え、徳次はしばし自分なりに考えるのでございます。 これは、今まで出てきたことのない徳次だ。徳次が「自分なりに考える」なんて、驚い…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第210回2017/8/4 喜久雄の新たな舞台は、テレビだと予想していたら、そこに一枚弁天が加わるという仕掛けがあった。 実におもしろい。 持ち芸をとことんテレビ向きにして人気者となった西洋花菱は、それでもまだ芸人の伝統…
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