本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

2017年09月

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第257回2017/9/21 二代目半二郎にすっかり取り入った喜久雄は、実の子俊介を追い出して、まんまと三代目半二郎を襲名した。しかし、同時襲名した白虎が亡くなると、いい役にも付けずに丹波屋の名を汚すことしかできなかった…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第256回2017/9/26 この作品の時代は敗戦後の昭和だ。敗戦後の昭和は、民主主義と経済発展の時代だと思っていた。 『国宝』に描かれているのは、江戸時代の庶民が大切にしていた義理と人情であり、西欧文化とは無縁の伝統芸…
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朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・内巻敦子画『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第30回2017/8/4 第6話 龍宮の友達③あらすじ 高校に行かなくなっている娘の日芙美が、睦美に自分から話し始めた。日芙美は、もう高校へ行きたくないことと、予備校なら行…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第255回2017/9/19 幸子が復活した。「口うるさい梨園の姑」いかにも、幸子のはまり役だ。①興行面の計画は着々と進んでいる。②歌舞伎界の後ろ盾は、小野川万菊が控えている。③経験豊かな幸子は肚を決め、春江はその幸子や…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第254回2017/9/18「俺な、逃げるんちゃう。……本物の役者になりたいねん」 こんな思いだったとは!予想できなかった。お勢さんが言うように、俊介は家を出ても自立できないと私は思っていた。白虎(半二郎)の言葉通り、逃…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第253回2017/9/17 啖呵を切るのでも理詰めの談判でもなかった。女の図々しさで、母の厚かましさで押し切った。 これが、春江の本性なのかもしれない。現実と生活に密着した人。食うため、大切な人を生かすためには、理想や…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第252回2017/9/16 常識のある嫁なら、夫俊介に言って、義母幸子の度を越した信仰に意見をさせるだろう。春江が自分から動くとしても、先ずは義母へ直接話をするだろう。そうしないで、新宗教の親玉幸田との直接対決を春江は…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第251回2017/9/15 女、とりわけ母の意志が、物事を決めている。 マツがいなければ、喜久雄に歌舞伎の素養は育たなかった。幸子がいなければ、俊介と喜久雄の関係は保たれなかった。東京の舞台で役のつかなくなった喜久雄を…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第250回2017/9/14 こういう喜久雄を見たことがない。いや、これに近いことはあった。大阪弁に慣れようとして、なかなかなじめなかったのが、いつの間にか大阪弁になっていた。それは、極道の息子から役者への転生でもあった…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第249回2017/9/13  喜久雄と俊介は、対等の関係になったことがないし、これからもなれない。 喜久雄が初舞台を踏む前は、稽古で同じように扱われていても、御曹司の俊介と素性の分からない喜久雄にはあまりにも歴然とした…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第248回2017/9/12  痛めつけられて、歌舞伎の舞台に立つことができなくなったが、綾乃と市駒と時間を過ごすことで、立ち直った喜久雄だった。その喜久雄を、『太陽のカラヴァッジョ』の時よりも、重く厚いものがじわじわと…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第246回2017/9/9 私と私が招待した客のためだけに、三日間歌舞伎公演をしてくれれば、出演料として借金の額を全部払う。私のためだけに、毎月一時間程度の舞を舞ってくれれば、月々のお弟子や使用人に払う額を毎月払う。だか…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第245回2017/9/6 たとえ、から元気であろうといつも威勢のいい徳次だが、さすがに煮詰まっているようだ。 俊介が戻って来て、幸子は喜んだろうし、孫の一豊を見てさらに喜んだと思う。喜久雄も徳次も、俊介との再会に興奮し…
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朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・内巻敦子画『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第回2017/7/28 第6話 龍宮の友達②あらすじ ある日、細田さんが、睦美に話しかけて来た。細田さんの亡くなった夫の写真が、故郷の夫の弟の所から送られて来たのだと言う。…
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