本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』『ディス・イズ・ザ・ディ』の毎回ごとの感想と、読んだ本の感想を更新しています。

2017年10月

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第296回2017/10/31 俊介と春江の子は、一人だと思い込んでいた。ところが、一人っ子だとすると子どもの年齢が合わない。 俊介と春江が、豊生を抱いて二代目半二郎に謝りに行ったのが、家を出てから一年半ほど経ったころだっ…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第296回2017/10/31 読み誤っていた。 293回感想その2 俊介が父に謝りに行ったのが、出奔の一年半後、その時に豊生(とよき)は一歳になるかならないかだろう。 俊介が発見されたのは、出奔から十年近く経っていて、その時…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第295回2017/10/30 俊介と喜久雄の違い、差がはっきりと示された。 喜久雄が、芸へ向かう「性根」で俊介に勝っていたのだ。それを誰よりも見抜いていたのが、二代目半二郎だった。  二代目半二郎と喜久雄の特殊な縁を考え…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第294回2017/10/29その一①春江が自己紹介しようとした。 二代目半二郎と春江は初対面なのだろう。②二代目半二郎と俊介が向かったのは、俊介が子どものころからよく連れて行ってもらった料亭だった。 歌舞伎役者の子であっ…
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※10/28の記事の一部を変えました。  思いもかけない筋の展開に驚かされる。おもしろい。 おもしろいのだが、筋の運びに入り込めない感じもする。 一連の出来事を、連載としてはかなり長い間棚上げしておいて、前後関係を忘れたころに、再び語り始めるからだ。こういう運…
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朝日新聞夕刊連載小説・津村記久子作・内巻敦子画『ディス・イズ・ザ・ディ 最終節に向かう22人』第37回 第7話 権現様の弟、旅に出る⑥ 2017/9/29あらすじ 柳本さんが事故で入院したので、もう一年ここにいることになるのか、壮介は気になっている。壮介は、入院中の柳…
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その一 俊介と春江がつけた名は「豊生(とよき)」だが、今は「一豊(かずとよ)」。「数字の『一』に、お義父(とう)さんの名前からもろうた『豊』で『一豊』」(244回) 喜久雄の問いに、春江が答えていた。 『生』が『一』に変わったのは、なぜか。せっかく、孫を連れ…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第293回2017/10/28その一 第七章で書かれていた同時襲名の時期と、俊介の子が生まれた時期は、重ならなかった。その二二代目半二郎の俊介への思い①自分の代役に喜久雄を指名した理由は、全く語られていない。②俊介が出奔し…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第292回2017/10/27春江が身ごもったのは、大阪を離れてそろそろ一年になるころでございました。(今回)(略)この同時襲名を受けるということは、出奔して三年になる俊介の役者人生を完全に見限るということにもなるのでござ…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第291回2017/10/26 古書店なら働くといっても、忙しいことはあるまい。店番でもしながら芸能に関する書籍を、俊介は読み漁ったか。それとも、芸能専門書のしかも古書店となると、その方面に相当詳しい人が出入りするはずなの…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第290回2017/10/25  発見された俊介と春江がどうやって暮らしていたか、明らかになるのを楽しみしていたのが、9月1日第238回感想だから、ずいぶんと待たされた思いだ。身を隠している間の二人の物語は、予想の一部は当たっ…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第289回2017/10/24 深い霧がゆっくりと晴れるように、春江の気持ちがみえてくる。 それと同時に、家を出た俊介の気持ちもわかってくる。喜久雄への憎しみや父への恨みは、今回まででは感じられない。 それならば、なぜに家…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第288回2017/10/23その一 春江は、男の我がままと弱さをすべて受け入れる女なのだろうか。少なくとも、自分本位の行動や、男に甘えることをしないのは確かだ。 俊介と二人きりでいながら、喜久雄も一緒にいるような春江の感…
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「いや、ほんまやで。万が一でも俺がお偉いさんなんかになってもうたら、それこそ『天下の弁天、万引きで逮捕』とか『天下の弁天、痴漢の現行犯』とかな、一番みっともない姿晒(さら)して、この世界から堂々と干されたるわ」「弁ちゃん、ほんま変わってへんわ」「いや、ほ…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第287回2017/10/22 弁天の言葉に驚いた。そして、弁天の生き方に心底かっこよさを感じる。 弁天が重要な人物ではない感想278回などとはとんでも間違いだった。 弁天のこのような言葉を引き出す春江も、今の俊介と喜久雄に…
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