朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第355回2017/12/31
いきなり、一豊のバスケットボールの試合が出て来たので、その試合で、一豊が怪我をするなどの出来事が起こるかと思った。
そんな予想とは違って、丹波屋の賑やかさと、春江と幸子の活躍ぶりが、より生き生きと描写された。しかし、一読者としては、その春江には、見世物小屋に出ていた頃の俊介との暮らしがあり、長男を失った母であることを知らされている。さらに、春江が、長崎時代に何をしていたかも、実の母がいることも忘れられないことである。
喜久雄は、辻村逮捕の件で、過去が暴かれた。春江と幸子のことが、ドキュメント番組で世間の注目を集めることが、いいことばかりとは思えない。
いきなり、一豊のバスケットボールの試合が出て来たので、その試合で、一豊が怪我をするなどの出来事が起こるかと思った。
そんな予想とは違って、丹波屋の賑やかさと、春江と幸子の活躍ぶりが、より生き生きと描写された。しかし、一読者としては、その春江には、見世物小屋に出ていた頃の俊介との暮らしがあり、長男を失った母であることを知らされている。さらに、春江が、長崎時代に何をしていたかも、実の母がいることも忘れられないことである。
喜久雄は、辻村逮捕の件で、過去が暴かれた。春江と幸子のことが、ドキュメント番組で世間の注目を集めることが、いいことばかりとは思えない。