本屋のとなりは写真館

朝日新聞連載小説『国宝』の感想と、読んだ本の感想を更新しています。

2018年01月

朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第385回2018/1/31 前回では、役者としても全盛期を迎えた喜久雄が描かれていた。 一方、息子との同時襲名と、襲名披露の舞台の成功が俊介の絶頂期とすれば、次の段階の始まりが、このテレビドラマへの出演ということになり…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第354回2018/1/30 広がっていたストーリーの小川が、徐々に合流して、川のようになって来た。伊藤京之助、胡弓の稽古などが、繋がって来る。(略)良く言えば、役者としても、男としても、父親としても、まさに脂が乗り切っ…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第383回2018/1/29 彰子の言葉を読んでいて、なんのことか分からなかった。娘の綾乃が子を生めば、喜久雄はおじいちゃんになるというのは当たり前のことだし、実際の世間でも、今やよくあることだ。だが、それを言うのが、娘…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第382回2018/1/28 喜久雄に向かって、「あんたに、捨てられたんや!」と叫んでいた綾乃だった。若い頃の喜久雄なら綾乃に今回のように頼まれたら、喜んだに違いない。だが、今の喜久雄はそんな風に受け取るだろうか。 「三…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第381回2018/1/27 綾乃が紹介するというから、仕事柄、相手は人気作家か?と思わせられた。「雪駄」からは、歌舞伎役者かと思った。 まさか、相撲取りとは、驚いた。荒風の息子やその兄弟子たちとの酒席(369回)がここにつ…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第380回2018/1/26(略)(略)誰もが喜久雄のような演技をできるはずもなく、となれば、喜久雄のほうで演技を抑えるしか一つ舞台で一つ世界を作るのは難しく、この喜久雄の苛立ちは誰の目にも明らかなのでございます。 喜久雄…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第379回2018/1/25 喜久雄の新しい人格が、見える。自分がよい役につけなかったことも、ひどい扱いを受けたことにも不平不満を言うことのないのが、喜久雄の人柄であり、舞台への姿勢でもあったと思う。 その喜久雄が、共演…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第378回2018/1/24 美を追い求め、芸を極めつくすとこういう境地になるのであろうか。万菊の安宿での時間は表ざたにできないことであろうが、この気持ちには、ほっとさせられる。 ただし、純粋に芸を極めつくした境地だけと…
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 小野川万菊と言うと忘れられない場面があった。 あまりに強烈な体験に心が拒否反応を示すのですが、次第にその化け物が物悲しい女に見えてまいります。「いや、こんなもん、女形でもないわ。女形いうもんは、もっとうっとりするくらいきれいなもんや。それが女形や」 喜…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第377回2018/1/23 「陽気な婆さん」と周囲の人に思われて、死んでいった万菊は、潔(いさぎよ)い。 舞台に立てなくなって、歌舞伎界と縁を切ったのだろう。現役でなくなっても、万菊ほどの稀代の名優なら、大御所として尊…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第376回2018/1/22 俊介の同時襲名から、早くも三年が経っていた。喜久雄にも俊介にも大きな変化はないようだ。  登場した歌舞伎役者の中で、小野川万菊は、二代目半二郎に匹敵するほど紙数を割かれている。 万菊の芸の凄み…
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NHKテレビ 高麗屋 三代の春 ~襲名・松本幸四郎家 歌舞伎に生きる この番組を見て、驚いた。連載小説『国宝』で描かれている襲名への取り組みが、そのままドキュメンタリーになっていた。と言うよりは、事実を小説が忠実に描いているということだ。 私には、職業とは一…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第375回2018/1/21 前回の感想で、「不思議なのは」と書いたが、その疑問に対する答えが、俊介自身の口から吐露された。 (略)私は、父が、この丹波屋の大名跡を継ごうとする席に立ちあうことができませんでした。これほど…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第374回2018/1/20 今の俊介に欠けていることはない。芸の精進は実を結んでいる。息子は、親の望む道を歩んでいる。妻と母は、家を見事に支えている。恩のある源吉の幹部役者昇進も叶い、大御所の役者から認められ、喜久雄の…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第373回2018/1/19 私は、父と同じ業種の会社に入り、定年まで働いた。父と同じ仕事をしていることへの気持ちは、肯定と否定は半々だった。今、振り返ると否定的な考えはなくなっている。あるのは、仕事の本質にもっと迫りた…
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