本屋のとなりは写真館

新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 の感想と、読んだ本の感想を更新しています。

2018年05月

 春江は、自分と母を辛い目に遭わせた育ての父である松野を、憎んだ。薬漬けになった俊介を救い出す際に、松野は春江の助けになった。しかし、そのときの恩を感じながらも、松野を憎む気持ちは決して消えなかった。 綾乃は、父、喜久雄のスキャンダルのせいで幼いころに深…
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国宝 あらすじ 第二十章 国宝 第476~500回  一豊は、三年に及んだ謹慎期間が明け、心機一転舞台復帰を果たす。また、舞台復帰の直後に、一豊は美緒というモデルと結婚する。 一豊の舞台復帰も、人気のあったモデルとの結婚も、周囲が期待したほど世間の話題にはなら…
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 たとえ、喜久雄が正気を失い、今までのようには舞台に立てないとしても、心配はないと思う。 喜久雄の社会的な面は、三友社長の竹野と中国の白河公社社長が万事遺漏なく処理するであろう。そして、身の回りのことは彰子、春江、綾乃が包み込むであろう。一豊、市駒、喜重…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第499回2018/5/28 綾乃のことを見知っている観客は、少なくないはずだ。その綾乃がなりふり構わず、一人で拍手をした。 春江は、俊介のライバルをまだ生まれぬ孫に見せた。 綾乃も春江も、今が、喜久雄の最後の舞台だと直…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第498回2018/5/27 綾乃が、胸をつかれたようにハッとした。第十九章 錦鯉 12 462 挿絵 最も印象に残っている挿絵の一枚だ。リュックを背負う綾乃、そして、外見は子煩悩の父に見える喜久雄だ。その喜久雄が、祈ったこと…
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 本人はまだ知らぬが、人間国宝に認定され、万座の観客を魅了している喜久雄は、何を見、何を感じているのか? 役者として、完璧な今の自分に満足しているようには感じられないのだが‥‥   共演の京之助が、喜久雄の様子について、一豊に次のように尋ねた。「いや、誰…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第497回2018/5/26 舞台上の喜久雄の至高の芸については、第十九章 錦鯉から本章にかけて綿密に描かれている。 では、役者としての三代目半二郎ではない喜久雄はどうなのであろうか?万菊は、役者ではなくなった時には今ま…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第496回2018/5/25 命と引き換えに舞台に上る俊介を支え続けた。俊介亡き後は、一豊を支え、幸子の面倒を見、丹波屋を一人で切り盛りしてきた。一豊が交通事故の加害者となってからは、その荷は重さを増した。 寂しさに浸り…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第495回2018/5/24 徳次に、優れた才能はなかった。徳次は、大部屋役者もこなすし、源さんのような付き人もやれた。だが、喜久雄のような芸事の才能も、弁天のような芸人としての才能もなかった。 中国に渡った徳次が成功し…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第494回2018/5/23 「お嬢へ天狗より」(489回)のときから、徳次にあえると思った。 期待が裏切られるかもしれない恐さに、徳次が帰って来たに違いないと言い出せなかった。  もう、大丈夫だ。 徳次が帰ってきた。 しか…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第493回2018/5/22 喜久雄の初舞台を描いた場面は、印象に残っている。 初舞台のお役がついたと申しましても、栄御前について出る腰元の一人、御前のお供で手持ち灯籠を持って花道から舞台へ出ますと、当然台詞もなく、十五…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第492回2018/5/21  矢口建設の若社長夫妻は、歌舞伎を深く理解し、歌舞伎役者を支える本物のご贔屓筋として描かれていた。(352回感想)その夫妻が、紹介したい人と言うからには相当の人物であろう。 竹野は、舞台の歓声と…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第491回2018/5/20 喜久雄の役者としての出発点は、大阪で俊介と一緒に稽古に励んでいたときだと思ってきた。 歌舞伎役者の芸として、至高の域に達した阿古屋の舞台を読むと、さらにその先だと思わされる。 それは、喜久雄…
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朝日新聞連載小説『国宝』吉田修一・作 束妹・画第490回2018/5/19 喜久雄の故郷、長崎へと思いが導かれる。 マツも権五郎も、そして、喜久雄も徳次も歌舞伎が好きだった。 権五郎とマツは、貧しく生きるのに精いっぱいの日々を送っていたことが想像できる。厳しく苦しい…
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