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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 の感想と、読んだ本の感想を更新しています。

2018年06月

新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第19回2018/6/20 朝日新聞 佐山夫妻を心配していた「私」の気持ちが伝わる。しかも、子ども喪った悲しみだけでなく、奥さんのことを心配していた佐山の心中を察していることも伝わってくる。 また、紺野とのいかにも学…
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第18回2018/6/19 朝日新聞 この小説の第一章が、いよいよはじまった。 第一章冒頭から、「私」の性格がわかる。 この主人公は、平凡な勤め人で、社会に順応していて、目立つような個性の持ち主などではないと思う。だ…
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新聞連載小説『ひこばえ』重松 清・作 川上和生・画 朝日新聞 序章 こいのぼりと太陽の塔 あらすじ  洋一郎にとって、父の思い出はベランダにこいのぼりを飾ってくれる父であった。 洋一郎が小学二年のとき、父と母は離婚して、父が家を出て行ってしまった。離婚の…
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第17回2018/6/18 朝日新聞 次回あたりからこの小説が本格的にはじまると感じさせる。 洋一郎が、小学校二年生のときに父と別れて、今五十五歳になっているのだから、四十七、八年ぶりの再会なのだろう。 姉が父と再会…
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第15・16回2018/6/16・17 朝日新聞 両親の離婚、父がいなくなることの影響を、幼い子がどう受け止めるかが、列車の座席のことに表れている。 幼い子だけでなく、大人になっていても、家族の変化を実際はどのように感じ…
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第14回2018/6/15 朝日新聞 幼い洋一郎が、両親の離婚があっても日常が坦々と続いたと思っていたのは、わかる気がする。そして、それは幼い頃の思い出だけでなく、五十代のいまもあまり変わっていないようだ。父の側に離…
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第13回2018/6/14 朝日新聞 賢司さんが、母と姉弟の面倒を今後みるわけではないだろう。離婚した父に対する賢司さんの考え方は、正しい。その正しさは、世間的な良識に照らしてものだし、それよりは賢司さんの好悪に基づ…
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『国宝』の特徴①語り手の存在 連載小説を読んでいるのに、まるで、舞台を観ているような気分になった。小説中のこととしても、できごととできごとのつながりや時間の経過が妙なところがあったが、舞台上で場が変わるような感じで、そこに違和感を感じなかった。それは、場…
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 「徳次」は、「喜久雄」よりも「俊介」よりも愛着を感じる登場人物だ。 「徳次」は、仁侠の人として描かれていると思う。信義を重んじ、義のためには命を惜しまない。「徳次」は、「喜久雄」のためなら命を惜しまないといつも言い続けてきた。そして、それを「綾乃」を救…
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第12回2018/6/13 朝日新聞 思い出と過去の記録は、違う。記憶の中でも、思い出は記録とは別のものになるのであろう。 父がいなくなったことが、洋一郎にとって重い思い出になるのかと予想したが、そうではないようだ。…
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 「春江」と「市駒」と「彰子」、この三人の「喜久雄」を巡る関係を考えれば、互いに憎み合っても無理はない。 それなのに、この三人は憎み合うどころか、互いに感謝し、尊敬し合っている。 「俊介」から、丹波屋の御曹司の位置と役者のプライドを奪ったのは、「喜久雄」…
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 両親の離婚の原因の多くが父にあったことを理解している現在も、思い出の父はよい父だと、洋一郎は感じていると思う。 煙草屋のおばさんにとって、小学二年生の男の子にとって、この父は親しみやすい人だったのは間違いない。それは、この父の性格の一面だったのだろう。…
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 『国宝』の主人公は、歌舞伎の舞台に立つ魅力に取りつかれただけの人間だった。 『国宝』の全編を通して、「喜久雄」は、空っぽの人間に描かれていると感じる。  好きになった「春江」と「市駒」と「彰子」、認知した娘「綾乃」、綾乃が生んだ孫娘「喜重」、育ての母親…
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第9回2018/6/9 朝日新聞 父についての洋一郎の記憶は、姉の言う通り、実際とはかなり違っているのであろう。そして、父についての姉の記憶も、一方的なものだと思う。それは、姉の記憶が、母の側から父を見たものだから…
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