本屋のとなりは写真館

新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 の感想と、読んだ本の感想を更新しています。

2018年06月

新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第8回2018/6/8 朝日新聞 先日五十五年ぶりの中学校の同期会に出席した。参加者は顔を見ただけではまったく思い出せなかった。名前を確かめ合い、しばらく話しているうちに何人かを少しずつ思い出してきた。 会の後半、…
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 悔しい思い、辛い経験、幸福でないことそれもとてつもなく幸福から遠いこと、それに負けなければ、人は、他の人々を幸福にできるものを生み出すことができる。 作者は、こう書いていると感じる。 「俊介」が父の代役に指名されていたならば、「俊介」の長男が健やかに育…
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第6~7回2018/6/6~6/7 朝日新聞 姉の記憶の方が客観的なのであろう。 これだけ姉に「嫌な思い出」をもたせた父はいったいどんな父だったのか?家族を養う稼ぎがないや暴力を振るうだけではないような気さえする。 ま…
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 好きな台詞。今や丹波屋の若女将となった春江と、人気のお笑い芸人弁天との会話。「いや、ほんまやで。万が一でも俺がお偉いさんなんかになってもうたら、それこそ『天下の弁天、万引きで逮捕』とか『天下の弁天、痴漢の現行犯』とかな、一番みっともない姿晒(さら)して…
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 小説『国宝』には、何か所かの名台詞がある。私の好きな台詞を挙げていく。 初対面の「俊介」と、「喜久雄、徳次」の間が一触即発、乱闘騒ぎになりそうになった。そのとき、「幸子」が言う。「あー、面倒くさい。どうせ、アンタら、すぐに仲良うなるんやさかい。いらんわ…
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第4~5回2018/6/4~6/5 朝日新聞 洋ちゃんは、姉の熱心な言い分に感化されなかった。洋ちゃんは、友達の評判に同調しなかった。洋ちゃんは、太陽の塔、団地の給水塔が好きだった。そして、洋ちゃんの記憶では、ベランダ…
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①どんなときにもへこたれない。②自分で自分の仕事を見つけて働く。③切り替えが速く、一度決めたら迷わない。④この人を支えようと決めたら、とことんその人の面倒をみる。⑤愚痴や恨み言を言うことがほとんどない。 小説『国宝』は、歌舞伎役者の物語だ。だから男の物語…
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第回2018/6/2~6/3 朝日新聞 姉は、父がこいのぼりを買ってくれたことを、ほんの気まぐれで、洋一郎のことを大切に思ってのことではない、と言い張る。だが、私(洋一郎)の記憶では、父が丁寧にこいのぼりをベランダに…
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新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第1回2018/6/1 朝日新聞 新連載が始まった。 挿絵の姉の表情がいい。小学校六年生の洋ちゃんが、姉の口調にひるんでいる光景が浮かんでくる。 ただし、挿絵はWEB版じゃないと、ここまで感じられない。印刷版を読んだ…
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 私は、『国宝』の主人公に、連載の読み始めから最後まで親しみも畏敬の念ももてなかった。しかし、最終回の主人公の背中には、思わず精一杯の拍手をした。 その理由は、歌舞伎の舞台に打ち込み続けた喜久雄の姿に、心うたれたからだ。 喜久雄は、大きな名跡を求めず、三…
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