新聞連載小説『ひこばえ』重松清・作 川上和生・画 第139回2018/10/22 朝日新聞
洋一郎の「ひどい父親だったんですよ」を聞いても、麻美、陽菜母子は、全然めげない。カロリーヌおじいさんの人柄についてよっぽど自信があるのだろう。
人の善意と悪意のどちらを信じるか?私は他人であれば、悪意への警戒がまず先立つ。この麻美、陽菜母子は違う。洋一郎が精一杯の強い語調で言った言葉など意に介していない。
大家の川端さん、道明和尚、田辺麻美、陽菜母子に導かれて、主人公が、やっと実の父の姿を思い出してくる。
私は確かに、遠い昔、このひとを見ていた。
洋一郎の「ひどい父親だったんですよ」を聞いても、麻美、陽菜母子は、全然めげない。カロリーヌおじいさんの人柄についてよっぽど自信があるのだろう。
人の善意と悪意のどちらを信じるか?私は他人であれば、悪意への警戒がまず先立つ。この麻美、陽菜母子は違う。洋一郎が精一杯の強い語調で言った言葉など意に介していない。
大家の川端さん、道明和尚、田辺麻美、陽菜母子に導かれて、主人公が、やっと実の父の姿を思い出してくる。
私は確かに、遠い昔、このひとを見ていた。