朝日新聞連載小説 『春に散る』10回 沢木耕太郎
ボクシングの試合中継にだんだんに熱中していく「広岡」の心理が描かれいます。
○打たれているボクサーのダメージを予想する。
○今の試合と似ている過去の試合を思い出す。
○過去の試合と現在の試合と比較する。
○打たれ続けているボクサーの一瞬のパンチの意図を推測する。
○優勢なボクサーの疲労度を予想する。
テレビの画面を観ながら、次々と上のように頭をめぐらせていっています。
私がボクシング中継を楽しめないのは、ボクシングについての知識がないのと、このような複雑な考えが働かないのだと気づかされました。勝敗だけが気になる観戦は限界があるのです。