朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第42回
 気になっていましたが、40年ぶりなのに、なぜ「令子」が「広岡」のことを分かったのか、について書かれています。私の予想は外れて、この回では、「広岡」の髪型のせいだという「令子」の言葉が再び書かれていました。
 日本では、最近見なくなった髪型だが、アメリカで日系の床屋さんに刈ってもらっていた、という話をおもしろいと思いました。集団で海外へ移住をした日本人の社会では、移民当時の日本の風習がそのまま残るということを聞いたことがあります。髪型には、はやりすたりがあるので、こういうことも実際にあるのだろう、と思わされました。

 「広岡」のように、海外で40年も暮らして、全く日本に帰ってきていないと、自分の身についている日本のいろいろなことは、当時のままなのでしょう。言葉遣いにしても、服装の流行などについても、40年の開きというのは相当なものだと思いました。

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