薬のいらない体は酵素がつくる!』 鶴見隆史
 自分で、選んだ本でも、勧められた本でもありません。妻が、私の病後の食事のために、食品栄養素の本を選ぶときに、何かの参考になるだろうとついでに買った本でした。私は読もうと思っていませんでした。
 退院後は、自分でも食事に気をつけていたことは確かです。
 入院中の食事の特徴は、徹底して魚中心でした。それまでも、年齢や治療を続けていた生活習慣病の治療のためを考えて、食事の内容は変えてきていました。でも、生野菜を毎食摂ることはあっても、毎日魚を食べるということはしませんでした。回数からいうと、魚よりも肉が多く なっていました。ですから、最初のうちは慣れないというよりも驚いてしまいました。病院の食事は、毎日魚が出て、肉は週に1、2回だったのです。そして、そういう献立をだんだんと自然に感じられるようになりました。
 退院後も、それに近い食事内容が続いています。献立と、調理は妻なので、私は大きなことは言えませんが、入院中の食事内容を忘れないことと、入院中に受けた栄養士さんの栄養指導を守るようにしています。

 そんな気分から、この本も手にとってみたのです。さて、この本でなるほどと思ったことがいくつかありました。
 現在の食事は、揚げ物と脂身の多い肉は食べないので、脂質は、ずいぶんと少なくなっています。そうすると、さすがに脂質が不足するようです。そういうときに、青魚以外にはナッツ類やオリーブオイルが脂質を摂るには適しているらしいことが分かりました。
 生野菜はドレッシングは使っていないので、オリーブオイルを少量かけることと、無塩のアーモンドを量を決めて食べることをやってみています。

 こういう献立は、健康第一というよりも、今までと違うおいしさを感じるようにしています。

 話題は変わりますが、この本のようにお手軽に読めて、読者の疑問に対する答えだけが書かれている体裁になっている本が、よく買われるということは、よい風潮ではないと思います。読者のひとりとして反省しなければならないと思います。
 今回の私のような食事についての疑問は、個別の事情に基づいたものですし、著者もそれについては個別に指導助言するようなケースだと思います。
 不特定多数の人々をまとめて健康にするような方法が、1冊の本にすべて書かれていることなどありえないと私は思います。