朝日新聞2015/5/19 インタビュー記事 『インタビュー 歴史の巨大な曲がり角』 見田宗介
 平成生まれの人と話す機会は多くありませんが、その機会は増えてきました。この記事で言われているように、平成生まれの人たちと、その少し前に生まれた我々の子ども世代「団塊ジュニア」との間に、はっきりとした違いを感じることはありません。違いが感じられないというよりは、今の20、30歳代の人たちに、「世代の特徴」とか「価値観の違い」という考え方が通用しません。
 職業や仕事について、若い人と話すことがあります。実際には50年間ほど離れているわけですが、その間に戦争や政治体制の大変化はありませんでした。しかし、我々「団塊の世代」が経験してきたような「会社選び」が、今の若い人たちの「就活」と、共通するものがほとんどないことに気づかされます。国公立の4年生の大学を出て大手の会社に就職するか公務員になれば、その先は程度の差こそあれ安定したものになる、などという考え方は、完全に昔話になりました。
 私が持っていたような考えは過去のものであるし、それが良かったとは思いません。では、現代の「就活」を、どう考えればよいかというと、どうも掴み所がない、というより他はないのです。
 若い人たちに、昔との違いをどう感じるか、と問いかけても、首を傾げられるばかりです。その人たちに向かって、「世代が違うから過去のことは参考にならないね。」「右肩あがりの時代とは価値観が違うんだね。」などと言っても、彼らはますます首を傾げました。