NHK総合TV ファミリーヒストリー「星野仙一~父と母の生きざま 燃える男の原点~」
『オモニ』 姜尚中

『春に散る』 沢木耕太郎

 星野仙一さんのお父さんが、太平洋戦争の戦災に遭ったときに、自分が指導した少年工員の面倒を見たこと、また見ず知らずの人でも自宅に泊めてあげるなどして助けたことが番組で描かれていました。これは、太平洋戦争の末期から終戦にかけてのできごとでした。また、お父さんが亡くなった後、女手ひとつで、仙一さん姉弟を育てたお母さんが、お父さんの勤めていた会社の人から助けられたことも描かれていました。これは、終戦後の混乱期のことでした。

 小説『オモニ』では、太平洋戦争の戦中戦後の時代を生きた「オモニ」の姿が描かれています。ここでは、自分たち家族の生活もやっとなのに、より困っている他人の親子を自分の家に連れて来て、共に生きる「オモニ」の姿が描かれています。

 連載中の『春に散る』では、40年前の東京の人が、若いボクサーの面倒を見る話が出てきます。

 ドキュメンタリーと小説の違い、そして主人公や舞台となる時代の違いがあります。でも共通しているのは、困っている人の面倒を見るという行為です。そして、それが取り上げられるのは、どの時代でもそうあることではなかったからでしょう。だが、そういう行動をする人が、昔の日本には確かにいたということです。
 今は、他人の面倒を見る人は極端に少ないと思います。今の時代のボランティアとは違う行動だとも感じます。
 よほど事情が変わらない限りは、困っている人の面倒を見る行為は、私にはできないと感じました。ブログランキング・にほんブログ村へ