朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第96回2015/7/7

 これはいくら何でもやり過ぎだろう。若い女性の親切心だからと、大目に見たい所だが、「佳菜子」の押しかけは普通ではない。

 子猫の描写が滑らかだ。ただし、「広岡」がこんな事を続けていると、今の日本ではご近所からクレームがつきかねない。それは考え過ぎだろうが、猫を飼っている身としてはついつい余計な心配をする。