朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第105回2015/8/31

 今はどうであれ、「平岡」は「大助」にとって同世代であり、かつては親友であった。「大助」が接する人物の中で、最も近い位置にいるということもできる。
 だからこそ、結果を斟酌せずに話をしたのかもしれない。
 だが、「平岡」は、ただ自己の名誉が深く傷つけられたということしか感じなかった。そして、法や社会的な制裁以上の方法で、名誉棄損を償うことを求めているようである。