朝日新聞連載小説『それから』夏目漱石第107回2015/9/2

 恵まれた境遇と、才能。ないものと言えば世俗的な地位と自由になる金銭だけだ。愛する女性は、すべてを投げうって、その愛にこたえてくれている。それが、「代助」だ。
 以前の仕事に失敗し、その際の借金がある。今の職業と地位に満足していない。病気で子を亡くし、妻への愛は冷めた。世俗的な成功を求めて動き回っているが、うまくいかない。それが、「平岡」だ。
 そして、「代助」は、世渡りの術で、「平岡」に手も足もでない、と感じた。