朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第207回2015/10/30

 この条件なら、乗り気になる。
 広岡は、アメリカに戻っても、つながりのある人がいるのではないし、これから先の計画もない。だとすると、日本にこのままいるのだろう。その日本でつながりのある人と言えば、元ボクサーの3人になる。藤原と佐瀬が広岡と一緒に住むことをどう思うかは、まだ分からない。だが、広岡のしようと思っていることは、藤原と佐瀬の住む場所をなんとかしようということ以外にはない。
 そうなると、この家の条件は、広岡にとって好都合だろう。広岡の今までの行動からは、例え、金のことで心配がないとしても、質素で安上がりのものの方を選ぶだろう。

 川崎市?何かかかわりがあったか?