朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第58回2015/12/22

 明治時代の東京での給料取りの生活と意識が、現代と共通することの多さに驚かされる。
 しかし、当時の東京以外、特に農山村、漁村地域の人々の生活と意識は、現代とは相当に違う。そのことが、
反物行商の男を通して描かれている。
 現代の大都市以外の地域の人の生活と意識は、交通網やマスコミの発達によって、大都市の住民とそれほどかけ離れていない。
 だが、大都市の経済事情と、地方の経済事情は、現代でも格差は大きい。国内であっても、地域によって、職業によって、生活と意識が違うことを、見落としてはならないと思う。