朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第263回2015/12/27

 星の気持ちを察している藤原の見方が当たっているように思う。星の言葉には、最初から本心と逆のことが含まれていたと思う。
 広岡がアメリカに行ってからの残された三人の様子は、広岡の知らないことだったろう。
 真田会長は、指導者であり、精神的な支柱であった。だが、四人の若者の中での中心は、広岡だったのだろう。広岡は、それを意識していなかったろうが、他の三人は、はっきりと意識していたようだ。

 この四人が集まり共に住むのは、昔を懐かしみ、過去を追うだけの共同生活にはならないと感じる。