朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第62回2015/12/28

罪は産婆にもあった。けれども半以上は御米の落度に違いなかった。

 「罪」と呼ぶのは無理な気がする。
 「落度」とは言うのは残酷だ。
 だが、産婆にもっと経験と技量があれば、助かったのかもしれない。御米がもっと慎重に動いていれば、この事態を招かったのかもしれない。

 人生にはこういうことがある。結果論だ、と割り切るべきなのか。
 どう考えたらいいのだろう。