朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第295回2016/1/29

その言葉が、世界チャンピオンになれなかった佐瀬が必死に考え出した自分の人生に対する了解の仕方であり、同時に他の三人への思いやりの言葉でもある

 佐瀬の考え方に私も共感できる。
 人はそれぞれが、「自分の人生に対する了解の仕方」を見つけたくなるものだ。そして、それはそれぞれが自分で見つける他はない。
 広岡は、佐瀬の気持ちがよく分かっている。だが、同じ気持ちではないと思う。「チャンプの家」を決定づける発言は、広岡ではなくて、星が言っている。