朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第297回2016/1/31

 この四人の結びつきは固い。同時にこの四人はバラバラだ。ボクシングと年齢と孤独が共通している。一方、これからしようと思うことは、それぞれに違う。何よりも、ボクサーとしての現役を去ってからの経験は、それぞれに交わる所はない。
 
 広岡は、何を思って墓参りを言い出したのだろうか。真田会長に対する思いは、それぞれが違うように感じるのだが。

 また、佳菜子は、広岡に何を感じ取っているのだろうか。