朝日新聞連載小説『門』夏目漱石第97回2016/2/23

 自分の答えを老師に退けられても、宗助は熱心に修行しようとはしていない。では、禅の修行をばかにしているかというと、そうでもない。宜道を大変に好ましい人物と感じている。が、宜道を目指して修行に励もうというのでもない。
 坐禅によって悟りを得るには、何日間かの短い期間では到底かなわないと改めて気づいたのであろう。