胃腸内科で14日間、さらに消化器科内科で11日間の入院生活を過ごした。毎日が検査であった。
 転院と言っても、症状も治療もないので次の病院へ行くまでに数日間の猶予をもらって、家で片付けと準備をした。転院をすると、検査は同じものでも繰り返す場合があると聞いていたが、私の場合はそうではなかった。消化器科病院での最初の診察で、前病院医師からの手紙と、検査資料を見ていた医師がすぐに「今日から入院」と言った。
 検査も、前病院と同じものもあったが、より高度な機器での検査だった。
 入院中は、ほぼ毎日医師の診察があったが、私から質問することはしなかった。検査結果はどうなのか、治療が必要になったらどうするのか、聞きたいことは山ほどあった。しかし、総合的に判断するのだろうから、検査途中で結論は言えないだろうと思って、一々聞くことはしなかった。。
 入院中にできることは、看護師、検査技師、薬剤師、栄養士などの指示とアドバイスを正確に聞き取り、実行することだと思った。それと、テレビ、ラジオ、本などを楽しむことに専念した。
 自分の病気のことばかりを考えたり、患者同士で病気の話をすることは、益にはならない。それよりは、ベッドにいても退屈をしない時間の過ごし方を工夫することが、長い検査の時期を乗り越えるのに役に立った。