朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第352回2016/3/27

 星に注目した。
 彼は、この家に住むことが嫌だった。昔の共同生活に戻ることを拒否していた。そして、ここに住むようになっても昼間一人で何をしているのかは謎だ。
 その星だが、料理では欠かせない存在になっている。そして、この生活を嫌がる様子を見せることはない。それどころか、翔吾に対しては、いつも一番肝心なことを訊いている。

星が結論を先送りするように翔吾に向かって言った。
「俺たちに教えられるかどうか、おまえが帰ってからみんなで相談する。」
それがいい、と広岡も思った。

 この場面では、リーダー役は星だ。



 挿絵からも、若者の輝きを感じる。これは、年寄りにはないものだあ‥‥


 四人で、この若者にボクシングを教える、というストーリーになるとしたら、小説の今後の設定が大変になるなあ‥‥