朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第366回2016/4/10

この一週間、どこかで練習を続けていたのかもしれない、と広岡は思った。
(略)どこで練習をしているのだろう‥‥。

 この広岡の疑問に答える中で、新しい何かが見えてきそうだ。


広岡の眼にはこのミット打ちが新鮮に映った。

 ここにも伏線がありそうだ。
 ボクシングは、どんなに優れたトレナーが付いても、力が接近した練習相手や試合相手がいなくてはその選手は強くはなれない。
 
 翔吾がトレーニングに来るようになってから、広岡はまだ何も教えていない。