朝日新聞連載小説『春に散る』沢木耕太郎第377回2016/4/22

 キッチンへ戻った広岡のこれからの行動は?
 翔吾に、彼の父とどうなっているのかを訊く。他の三人に令子から聞いてきた話をする。そのどちらかしか考えられない。
 でも、それは普通の人がやることだ。昔の仲間に家を提供し、おまけに飯まで作り、事情も調べずに若者にボクシングを教え、いまどき固定電話しか使わないのは、普通の人のやることじゃない。