夏目漱石『吾輩は猫である』第22回朝日新聞連載小説2016/5/5

 この回も、知ったかぶり、博学ぶり、中途半端な知識や教養が、批判されている。
 漱石は、よほど中途半端な知識や教養が嫌いだったと感じる。嫌いどころか、それが、人間社会の弊害の元凶と見定めているかのようだ。
 ここまで、徹底して、「吾輩」という視点を借りながら批判されると、私も感想など書きづらくなる。私の小説好きと、感想に表れる文学的な知識は、「吾輩」が冷たい眼で見ている中途半端でいい加減な知識、そのものだ。